「レギュラーテンペラメントとランクrテンペラメント」の版間の差分

Furcht968 (トーク | 投稿記録)
編集の要約なし
Furcht968 (トーク | 投稿記録)
編集の要約なし
 
(同じ利用者による、間の7版が非表示)
7行目: 7行目:
{{上級者向け|レギュラーテンペラメント}}
{{上級者向け|レギュラーテンペラメント}}


レギュラーテンペラメントは音律同士の{{w|群準同型|群準同型}}である。ここでいう音律はある音程によって生成されるアーベル群を言う。定義域は大抵の場合[[純正律部分群]]で、値域は[[マップされた音程|テンパーされた音程]]のなす空間とされる。テンパーは恣意的な写像を用いて一つ以上のコンマを単位元であるユニゾンと同一視することであり、[[テンパーアウト]]は音程がユニゾンによって同一視されている状態を言う。そして、テンパーによって2つの異なる音程が同じテンパーされた音程に同一視されることがあり、これを''tempered together''<sup>[定訳なし]</sup>という。
'''レギュラーテンペラメント'''は音律同士の{{w|群準同型|群準同型}}である。ここでいう音律は音程を元とする集合によって生成されるアーベル群を言う。定義域は大抵の場合[[純正律部分群]]で、値域は[[マップされた音程|テンパーされた音程]]のなす空間とされる。


レギュラーテンペラメントの大きな有用性としては、同一視される音程を増やすことによって、ある種の多義性(ポリセミー)を与えることにある。例えば12平均律のサブセットであるホールトーンスケールが2つのaugコードの合成、全音の堆積と言った文脈で扱えるのは、[[12平均律]][[ピタゴラスコンマ]][[ディエシス]]を同時にテンパーしていることによって成立していると考えることができる。
'''テンパー'''は恣意的な写像を用いて一つ以上のコンマを単位元であるユニゾンと同一視することであり、[[テンパーアウト]]は音程がユニゾンによって同一視されている状態を言う。加えて、テンパーによって2つの異なる音程が同じテンパーされた音程に同一視されることがあり、これを''tempered together''<sup>[定訳なし]</sup>という。
 
レギュラーテンペラメントの大きな有用性としては、協和音程からなり、純正律から大胆に簡略化された音階を生成できることにあることと、同一視される音程を増やすことによって、ある種の多義性(ポリセミー)を与えられることである。多義性の具体例としては、[[12平均律]]のサブセットであるホールトーンスケールにおいて、2つの増三和音(augコード)の合成、全音の堆積と言った文脈を扱えること、長六度を足した減三和音(m6b5やdim6コード)・減七の和音(dim7コード)・短三度堆積和音などがそれぞれ同一なコードとして扱えることが挙げられる。これらは12平均律が[[ピタゴラスコンマ]]や[[シントニックコンマ]]、[[ディエシス]]などを同時にテンパーしていることによって成立していると考えることができる。


7-limit純正律の音程は7までの素因数の軸で表される4次元で考えられ、全ての音程は4次元座標で扱われる。何かしらコンマがテンパーアウトされることにより次元が減らされ、値域の元における全ての音程は1~3次元座標で扱われる。テンパー後の次元数はテンパーアウトされたコンマの数に依存する。そしてテンペラメントのランクはテンパー後の音律の次元数に等しい。
7-limit純正律の音程は7までの素因数の軸で表される4次元で考えられ、全ての音程は4次元座標で扱われる。何かしらコンマがテンパーアウトされることにより次元が減らされ、値域の元における全ての音程は1~3次元座標で扱われる。テンパー後の次元数はテンパーアウトされたコンマの数に依存する。そしてテンペラメントのランクはテンパー後の音律の次元数に等しい。
15行目: 17行目:
具体例として、[[セプティマルミーントーン]]テンペラメントを関数 M: J→K とすると、M(6/5) = M(32/27) = "短三度" である。2つの純正音程の差(周波数比)である 81/80([[シントニックコンマ]])はテンパーアウトされている。すなわち M(81/80) = M(1/1) = "ユニゾン" である。
具体例として、[[セプティマルミーントーン]]テンペラメントを関数 M: J→K とすると、M(6/5) = M(32/27) = "短三度" である。2つの純正音程の差(周波数比)である 81/80([[シントニックコンマ]])はテンパーアウトされている。すなわち M(81/80) = M(1/1) = "ユニゾン" である。


各レギュラーテンペラメントは音律同士の関係性を扱う抽象的な構造で、特定の音律について論じるものではない。任意のテンペラメントで音律の最適性を求めることはできる一方で、最適性の尺度は多く存在している。そのため、各テンペラメントには調律可能な範囲([[ジェネレーターとピリオド|ジェネレーター]]のサイズの範囲で示される)がある、というように取り扱うことが多い。ジェネレーターを有する音律が与えられると、任意のテンパーされた音程はジェネレーターの整数係数線形結合として計算できる。この性質がテンペラメントをレギュラーたらしめている。
各レギュラーテンペラメントは抽象的な構造で、正確な調律について扱うものではない。任意のテンペラメントに対して調律の最適性を求めることはできる一方で、最適性の尺度は多く存在するため、一般にテンペラメントは{{En仮リンク|可能な調律範囲|Tuning ranges of regular temperaments}}を持つものであると考えられる。ジェネレーターの調律が与えられると、値域の音律はジェネレーターの整数係数線形結合で閉じている。この性質がテンペラメントをレギュラーたらしめている。


== 次元数、またはランク ==
== 次元数、またはランク ==