「飽和、ねじれ、contorsion」の版間の差分
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例えば、[[5リミット]][[36平均律]](パテントヴァルの{{val| 36 57 84}})は5リミットの純正音程をマップするのにオクターブ当たり12個の([[12平均律]]と同じ)ピッチしか使わない。結局、他の24個の音程は使われず、36平均律は5リミットにおいてcontortedだということである。この場合のcontorted generatorは…ランク1なので平均律の1ステップが唯一のジェネレーターであり(1/36オクターブ)、これがcontortedでなければならない。このジェネレーターは必ず3の倍数個で使われ、contorsion orderは 3 である。より高ランクの例は、13リミット 87 [[:en:Temperament merging|&]] 111 で得られるhemimistテンペラメント [{{val| 3 0 26 56 8 }}, {{val| 0 2 -8 -20 1 }}] を2.5.7.11サブグループに制限したものである。これはピリオド(1番目のジェネレーター音程)が2.5.7.11サブグループのどの音程でもない(これを確かめようと思って手あたり次第に純正音程にこのマッピングを左から掛けてみても確信が持てない)が、ピリオドの3個積み重ねは 2/1 である(これはマッピングの先頭を見れば明らか)。これによりどうやらこのピリオドはcontorted generatorのひとつであるが、上記説明のようにcontorsion orderが求まる状態ではない。この例では、マッピング 2.5.7.11 [{{val| 3 26 56 8 }}, {{val| 0 -8 -20 1 }}] の1行目に2行目の内容をそのまま足す(generator form manipulationのひとつ)と1行目が {{val| 3 18 36 9 }} となりピリオドが必ず3の倍数個ずつ使われることが明らかになる。 | 例えば、[[5リミット]][[36平均律]](パテントヴァルの{{val| 36 57 84}})は5リミットの純正音程をマップするのにオクターブ当たり12個の([[12平均律]]と同じ)ピッチしか使わない。結局、他の24個の音程は使われず、36平均律は5リミットにおいてcontortedだということである。この場合のcontorted generatorは…ランク1なので平均律の1ステップが唯一のジェネレーターであり(1/36オクターブ)、これがcontortedでなければならない。このジェネレーターは必ず3の倍数個で使われ、contorsion orderは 3 である。より高ランクの例は、13リミット 87 [[:en:Temperament merging|&]] 111 で得られるhemimistテンペラメント [{{val| 3 0 26 56 8 }}, {{val| 0 2 -8 -20 1 }}] を2.5.7.11サブグループに制限したものである。これはピリオド(1番目のジェネレーター音程)が2.5.7.11サブグループのどの音程でもない(これを確かめようと思って手あたり次第に純正音程にこのマッピングを左から掛けてみても確信が持てない)が、ピリオドの3個積み重ねは 2/1 である(これはマッピングの先頭を見れば明らか)。これによりどうやらこのピリオドはcontorted generatorのひとつであるが、上記説明のようにcontorsion orderが求まる状態ではない。この例では、マッピング 2.5.7.11 [{{val| 3 26 56 8 }}, {{val| 0 -8 -20 1 }}] の1行目に2行目の内容をそのまま足す(generator form manipulationのひとつ)と1行目が {{val| 3 18 36 9 }} となりピリオドが必ず3の倍数個ずつ使われることが明らかになる。 | ||
あるテンペラメントのサブグループに注目して、それがcontortedである場合、元のテンペラメントより楽に(オクターブ内や楽器)全域の音にアプローチできる。または使用する鍵数が減ったのに合わせて鍵盤を再設計してもしなくてもよい。 | |||
== ねじれ == | == ねじれ == | ||
テンペラメントの定義が'''ねじれ''' | テンペラメントの定義が'''ねじれ'''を示すとは、その{{w|アーベル群}}としての定義がねじれを含んでおり、したがって{{w|全順序群|全順序}}であるピッチの集合にそのまま変換することができないことをいう。 | ||
テンペラメントをコンマ基底で定義することを考える。例えばミーントーンは 81/80 = {{monzo| -4 4 -1}} をテンパーアウトする。これはもともとあった5リミットの音程の3次元格子が、「5/1 と (3/2)^4 を同一視する(すなわち 1/1 と 81/80 を同一視する)」という条件により 5/1 の方向の点が片付いて2次元格子に縮小することになる。イメージしづらかったら、5/1 の方向と 3/2 の方向だけを取り出した方眼紙(2次元格子)を、5/1 と (3/2)^4 が重なるように巻くと方眼紙のすべての点が (3/2)^''n'' として(1次元格子)説明できるようになるイメージを思い浮かべてください。 | テンペラメントをコンマ基底で定義することを考える。例えばミーントーンは 81/80 = {{monzo| -4 4 -1}} をテンパーアウトする。これはもともとあった5リミットの音程の3次元格子が、「5/1 と (3/2)^4 を同一視する(すなわち 1/1 と 81/80 を同一視する)」という条件により 5/1 の方向の点が片付いて2次元格子に縮小することになる。イメージしづらかったら、5/1 の方向と 3/2 の方向だけを取り出した方眼紙(2次元格子)を、5/1 と (3/2)^4 が重なるように巻くと方眼紙のすべての点が (3/2)^''n'' として(1次元格子)説明できるようになるイメージを思い浮かべてください。 | ||
では 81/80 ではなく (81/80)^2 = 6561/6400 = {{monzo| -8 8 -2}} をテンパーアウトするという定義にしたらどうなるか? この定義は 81/80 を 1/1 と同一視しろとは書いていない。方眼紙の例なら巻き付け方を2倍に緩めて、全ての (81/80)^''n'' をテンパーするはずだった音程が (81/80)^(2''n'') | では 81/80 ではなく (81/80)^2 = 6561/6400 = {{monzo| -8 8 -2}} をテンパーアウトするという定義にしたらどうなるか? この定義は 81/80 を 1/1 と同一視しろとは書いていない。方眼紙の例なら巻き付け方を2倍に緩めて、全ての (81/80)^''n'' をテンパーするはずだった音程が (81/80)^(2''n'') をテンパーしたもの(1/1を含んでいるので仮に"1/1"と呼ぶことにします)と (81/80)^(2''n''+1) をテンパーしたもの(81/80を含んでいるので仮に"81/80"と呼ぶことにします)に分裂することになる。そして ("81/80")^2 = "1/1" となり、"81/80" の方向はべき数 2 の{{w|捩れ部分群|ねじれ部分群}}となる。 | ||
ここまでが純粋に抽象的な群の定義として見た場合である。ここからレギュラーテンペラメントとしてピッチへのマッピングを目指すと、(81/80)^2 = 1/1 が 0 セントである以上 √(81/80)^2 = 81/80 も 0 セントにするしかなくどうしても同じ音程を表すことになる。もし仮に周波数が複素数であるとか、周波数と空間オーディオの音源位置情報を各音符に盛り込むとかいうことがあれば、これを過不足なく写すマッピングを | ここまでが純粋に抽象的な群の定義として見た場合である。ここからレギュラーテンペラメントとしてピッチへのマッピングを目指すと、(81/80)^2 = 1/1 が 0 セントである以上 √(81/80)^2 = 81/80 も 0 セントにするしかなくどうしても同じ音程を表すことになる。もし仮に周波数が複素数であるとか、周波数と空間オーディオの音源位置情報を各音符に盛り込むとかいうことがあれば、これを過不足なく写すマッピングを | ||
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</math> | </math> | ||
などと組み立てることができるが、実数の周波数のみが求められているのであれば3行目を残しておく余地はない。つまり3行目のねじれ部分群が生じるような定義はRTTのスコープ外と考え、最初からきちんと 81/80 がテンパーアウトされるようにコンマ基底を正規化するべきだということである。 | |||
ねじれはcontorsionと違ってマッピング行列に残らない問題である。群論の言葉を使わずに表現すると、テンパーアウトされているコンマを見落としていて「必要な純正音程のリスト」が無駄に長くなっている状況である。 | |||
== Saturation algorithms == | == Saturation algorithms == | ||
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''torsion''は少なくとも1932年からある{{w|群論}}の用語である。歴史的に、RTTにおいてコンマをテンパーアウトすることに関して群論での定式化が行われ、あるコンマをテンパーアウトせずにその累乗をテンパーアウトすることが音楽的に不可能であることが見いだされた。現在では線形代数による定式化が好まれ、不可能性というより無意味性として受け流されている。''contorsion''はRTTのために2002年にPaul Erlichによって発明された用語である。"co-torsion"、つまり"torsion"の対になる状況を指す言葉である。(ただsaturationの意味では似ていてもねじれ群との関係は正直に言って存在しない) | ''torsion''は少なくとも1932年からある{{w|群論}}の用語である。歴史的に、RTTにおいてコンマをテンパーアウトすることに関して群論での定式化が行われ、あるコンマをテンパーアウトせずにその累乗をテンパーアウトすることが音楽的に不可能であることが見いだされた。現在では線形代数による定式化が好まれ、不可能性というより無意味性として受け流されている。''contorsion''はRTTのために2002年にPaul Erlichによって発明された用語である。"co-torsion"、つまり"torsion"の対になる状況を指す言葉である。(ただsaturationの意味では似ていてもねじれ群との関係は正直に言って存在しない) | ||
Dave KeenanとDouglas Blumeyerは''saturation''の代わりに'''defactored'''、''torsion''と''contorsion''の代わりに'''enfactored'''という用語を提案し使用している。(上記saturation | Dave KeenanとDouglas Blumeyerは''saturation''の代わりに'''defactored'''、''torsion''と''contorsion''の代わりに'''enfactored'''という用語を提案し使用している。(上記saturation algorithmがマッピング行列やコンマ基底行列に行うことがdefactoringであることからも自然な用法ではあろう) | ||