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'''リーマンゼータ関数''' | '''リーマンゼータ関数'''は有名な数学関数であり、200年もの間未解決の素数の分布に関する問題である、リーマン予想{{wikilink|リーマン予想}}との関係がよく知られている。しかし、平均律の「調和性」を測定するという驚くべき音楽的解釈もある。簡単に言うと、ある意味でゼータ関数は、与えられた平均律が倍音列、それどころか「無限リミット純正音程」までの'''全ての'''有理数までもに対し、どの程度近似しているかを示してくれる。 | ||
その結果、ゼータ関数は解析的整数論への使用が最もよく知られているが、調律論の背景にも常に存在している——[[調和エントロピー]] | その結果、ゼータ関数は解析的整数論への使用が最もよく知られているが、調律論の背景にも常に存在している——[[調和エントロピー]](英: [[:en:Harmonic entropy|harmonic entropy]])はゼータ関数のフーリエ変換に関連する可能性があることを示している。また、無限リミットまで拡張すると、種々の調律論的な計量から、ゼータ関数と関連する式が得られる。時々、これらはゼータ関数のシンプルな式から導出できる「素数ゼータ関数」を基準にされることもある。 | ||
以下の文の多くは{{en仮リンク|Gene Ward Smith|Gene Ward Smith}}の洞察のおかげである。以下の内容の初めはSmithの行ったオリジナルの導出であり、その後に、Smithの結果の一部を拡張した、{{en仮リンク|Mike Battaglia|user:Mike Battaglia}}による別の導出が続く。 | 以下の文の多くは{{en仮リンク|Gene Ward Smith|Gene Ward Smith}}の洞察のおかげである。以下の内容の初めはSmithの行ったオリジナルの導出であり、その後に、Smithの結果の一部を拡張した、{{en仮リンク|Mike Battaglia|user:Mike Battaglia}}による別の導出が続く。 | ||
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==Gene Ward Smithによるオリジナルの導出== | ==Gene Ward Smithによるオリジナルの導出== | ||
===導出の準備=== | ===導出の準備=== | ||
''x'' をオクターブの等分割を表す変数であるとする。例えば、''x'' = 80 の場合、''x'' は 15 ¢ のステップサイズと純正なオクターブを持つ{{en仮リンク|80平均律|80edo}}であることを表す。''x'' は連続値でも良く、分数または「非オクターブ」の分割も表すことができるとする。例えば{{en仮リンク|ボーレン・ピアース・スケール|Bohlen-Pierce scale}}(3/1 の13等分、13EDT)は、「オクターブ」の約 8.202 等分であり(ただし、オクターブ自体はこのチューニングには現れない)、したがって、''x'' = 8.202 の値で表される。 | ''x'' をオクターブの等分割を表す変数であるとする。例えば、''x'' = 80 の場合、''x'' は 15 [[セント|¢]] のステップサイズと純正なオクターブを持つ{{en仮リンク|80平均律|80edo}}であることを表す。''x'' は連続値でも良く、分数または「非オクターブ」の分割も表すことができるとする。例えば{{en仮リンク|ボーレン・ピアース・スケール|Bohlen-Pierce scale}}(3/1 の13等分、13EDT)は、「オクターブ」の約 8.202 等分であり(ただし、オクターブ自体はこのチューニングには現れない)、したがって、''x'' = 8.202 の値で表される。 | ||
ここで ||''x''|| を、''x'' と ''x'' に最も近い整数との差を表すものとする。例えば、 ||8.202|| は 8.202 と最も近い整数である 8 との差であるため、0.202 となる。||7.95|| は 7.95 と最も近い整数である 8 との差なので 0.05 となる。数学的には、||''x''|| は床関数 <math>\lfloor \rfloor</math> を用いて関数 <math>\left| x - \left\lfloor x + | ここで ||''x''|| を、''x'' と ''x'' に最も近い整数との差を表すものとする。例えば、 ||8.202|| は 8.202 と最も近い整数である 8 との差であるため、0.202 となる。||7.95|| は 7.95 と最も近い整数である 8 との差なので 0.05 となる。数学的には、||''x''|| は床関数 <math>\lfloor \rfloor</math> を用いて関数 <math>\left| x - \left\lfloor x + 1/2 \right\rfloor \right|</math> と表せる。 | ||
どのような ''x'' の値に対しても、''p''-リミット{{en仮リンク|一般化パテントヴァル|Patent val}}(英: Generalized patent val)を構成できる。具体的には、''p'' 以下の素数 ''q'' について、log<sub>2</sub>(''q'') × ''x'' を最も近い整数に丸めたものが、''q'' に対応する値となる。つまり <math>\left\lfloor x \log_2{q} + | どのような ''x'' の値に対しても、''p''-リミット{{en仮リンク|一般化パテントヴァル|Patent val}}(英: Generalized patent val)を構成できる。具体的には、''p'' 以下の素数 ''q'' について、log<sub>2</sub>(''q'') × ''x'' を最も近い整数に丸めたものが、''q'' に対応する値となる。つまり <math>\left\lfloor x \log_2{q} + 1/2 \right\rfloor</math> である。 | ||
ここで、以下の関数を考える。<math>\mathbb{P}</math> を素数全体の集合とする。 | ここで、以下の関数を考える。<math>\mathbb{P}</math> を素数全体の集合とする。 | ||
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: <math>\displaystyle \xi_p(x) = \sum_{\substack{2 \le q \le p \\ q \in \mathbb{P}}} \left(\frac{||x \log_2 q||}{\log_2 q}\right)^2</math> | : <math>\displaystyle \xi_p(x) = \sum_{\substack{2 \le q \le p \\ q \in \mathbb{P}}} \left(\frac{||x \log_2 q||}{\log_2 q}\right)^2</math> | ||
この関数には、関連する一般化パテントヴァルに対応する局所的極小値がある。極小値は、関連する[[ヴァル]]のオクターブのTenney–Euclidean調律である ''x'' の値に対して発生する。一方、これらの極小値における <math>\xi_p(x)</math> | この関数には、関連する一般化パテントヴァルに対応する局所的極小値がある。極小値は、関連する[[ヴァル]]のオクターブのTenney–Euclidean調律である ''x'' の値に対して発生する。一方、これらの極小値における <math>\xi_p(x)</math> の値は、ヴァルのTenney–Euclidean相対誤差の2乗であり、TE誤差とTE複雑度の積に等しい。「{{en仮リンク|TE単純悪さ|TE simple badness}}」として知られている。 | ||
ここで、特定の素数リミットの式ではなく、すべての素数に適用される式が必要だとする。上式は無限和にすると収束しない。しかし、重み係数をべき乗に変更すると収束するようになる。 | ここで、特定の素数リミットの式ではなく、すべての素数に適用される式が必要だとする。上式は無限和にすると収束しない。しかし、重み係数をべき乗に変更すると収束するようになる。 | ||
: <math>\displaystyle \sum_{q \in \mathbb{P}} \frac{||x \log_2 q||^2}{q^s}</math> | : <math>\displaystyle \sum_{\substack{2 \le q \le p \\ q \in \mathbb{P}}} \frac{||x \log_2 q||^2}{q^s}</math> | ||
( | ''s'' が1より大きい場合これは収束する。ただしいくつかの調整が必要になる場合がある。まず調律が[[一貫性|一貫的]]であるのに十分なほど誤差が小さい場合、素数の2乗の誤差は素数の誤差の2倍になり、3乗の誤差は3倍になり、誤差が一貫的でなくなるまで続く。重み付けに対数が使用され、誤差測定値が一貫している場合、対数重み付けによってこの効果が打ち消されるため、素数べき乗が暗黙的にTenney–Euclidean測定値に含まれていると考えることができる。各素数べき乗 ''p''<sup>''n''</sup> に 1/''n'' をかけることで、それらを含めることができる。これを実行した結果を記述するためのやや独特だが便利な方法は、フォン・マンゴルト関数{{wikilink|フォン・マンゴルト関数}}を使用したものである。これは、素数べき乗 ''p''<sup>''n''</sup> では ln ''p'' に等しく、その他の場合は 0 となる正の整数上に定義される数論的関数{{Wikilink|数論的関数}}である。これは大文字のラムダを使用して Λ(''n'') と記述され、これを使って、誤差関数に素数べき乗を次のように含めることができる。 | ||
: <math>\displaystyle \xi_{\infty,s}(x) = \sum_{n = 2}^{\infty} \frac{\Lambda(n)}{\ln n} \frac{||x \log_2 n||^2}{n^s}</math> | |||
===critical | ここで、和は形式的には 2 以上のすべての整数に対して取られるが、実際は素数とそのべき乗以外はフォン・マンゴルト関数の定義より 0 である。 | ||
=== | |||
上記の定義のもう一つの帰結として、滑らかな関数が望ましいのに不連続な導関数を持つ関数になるという点に異論があるかもしれない(詳細は[[Wikipedia:微分#連続性と可微分性]]を参照)。関数 ||''x''||<sup>2</sup> は ''x'' の整数値付近で二次増加し、周期1で周期的である。同じ特性を持つ別の関数で 1 − cos(2π''x'') がある。これは滑らかであり、実際は整関数{{wikilink|整関数}}である。そこで、任意の ''s'' > 1 について以下のように定義する。 | |||
: <math>\displaystyle E_s(x) = \sum_{n = 2}^{\infty} \frac{\Lambda(n)}{\ln n} \frac{1 - \cos(2 \pi x \log_2 n)}{n^s}</math> | |||
任意の固定された ''s'' > 1 に対し、この関数はすべての ''x'' に対して定義された実解析関数{{wikilink|解析関数}}を与える。つまり、望んだ全ての滑らかさの特性を備えている。 | |||
この定義を整理すると、本質的に同じ関数が得られる。 | |||
: <math>\displaystyle F_s(x) = \sum_{n = 2}^{\infty} \frac{\Lambda(n)}{\ln n} \frac{\cos(2 \pi x \log_2 n)}{n^s}</math> | |||
この新しい関数は元の関数との間で <math>F_s(x) = F_s(0) - E_s(x)</math> という関係式が成り立ち、つまりこの関数は <math>E_s(x)</math> の符号を反転しそれを垂直方向に平行移動したものである。これで誤差が小さい場合、極小値になるのではなく極大値になるようになる。さらに興味深いのはこれが既知の数学関数であり、リーマンゼータ関数{{Wikilink|リーマンゼータ関数}}の対数の実部で表現できるという事実である。[[Wikipedia:フォン・マンゴルト関数#ディリクレ級数]]に載っているディリクレ級数 | |||
: <math>\displaystyle \ln \zeta(s) = \sum_{n = 2}^{\infty} \frac{\Lambda(n)}{\ln n} \frac{1}{n^s}</math> | |||
を使い、また、オイラーの公式 <math>e^{ix}=\cos{x}+i\sin{x}</math> より <math>\text{Re}(e^{-ix})=\cos x</math> なので、 | |||
: <math>\displaystyle \cos(2\pi x \log_2{n})=\text{Re}(e^{-\log_2 n\times 2\pi ix})=\text{Re}(e^{-\ln n\times2\pi ix/\ln 2})=\text{Re}(n^{-2\pi ix/\ln 2})</math> | |||
<math>F_s(x)</math> は実関数なので、 | |||
: <math>\displaystyle F_s(x)=\sum_{n = 2}^{\infty} \frac{\Lambda(n)}{\ln n} \frac{\text{Re}(n^{-2\pi ix/\ln2})}{n^s}=\text{Re}\left(\sum_{n = 2}^{\infty} \frac{\Lambda(n)}{\ln n} \frac{n^{-2\pi ix/\ln2}}{n^s}\right)=\text{Re}\left(\sum_{n = 2}^{\infty} \frac{\Lambda(n)}{\ln n} \frac{1}{n^{s+2\pi ix/\ln2}}\right)=\text{Re}\left( \ln \zeta \left(s + \dfrac{2 \pi i x}{\ln 2} \right) \right)</math> | |||
複素数 <math>z</math> に対し、 <math>\ln z = \ln |z| + i \arg z</math> より <math>\text{Re}(\ln x)=\ln|x|</math> なので | |||
: <math>\displaystyle F_s(x) = \ln \left|\zeta \left(s + \dfrac{2 \pi i x}{\ln 2} \right)\right|</math> | |||
が導出でき、両辺で指数関数をとれば、 | |||
: <math>\displaystyle e^{F_s(x)} = \left| \zeta \left(s + \dfrac{2 \pi i x}{\ln 2} \right) \right|</math> | |||
がわかる。したがって、ゼータ関数の絶対値は均等分割における相対誤差を測定するのに役立つことがわかる。 | |||
===臨界帯(臨海領域, critical strip)の中へ=== | |||
===Z関数(リーマン・ジーゲルゼータ関数, ハーディゼータ関数)=== | |||
==Mike Battagliaによる拡張の結果== | ==Mike Battagliaによる拡張の結果== | ||
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===reduceされていない有理数からされた有理数へ=== | ===reduceされていない有理数からされた有理数へ=== | ||
===倍音のみ考慮した誤差測定=== | ===倍音のみ考慮した誤差測定=== | ||
=== | ===調和エントロピー(harmonic entropy)との関係=== | ||
==ゼータ平均律の表== | ==ゼータ平均律の表== | ||
===記録的な平均律=== | |||
===ゼータピーク平均律=== | ====ゼータピーク平均律==== | ||
===ゼータ積分平均律=== | ====ゼータ積分平均律==== | ||
===ゼータギャップ平均律=== | ====ゼータギャップ平均律==== | ||
===狭義ゼータ平均律=== | ====狭義ゼータ平均律==== | ||
===「逆」記録的な平均律=== | |||
====ゼータ谷平均律==== | |||
===k-ary-peak平均律=== | |||
====Parker平均律==== | |||
====Tertiary-peak平均律==== | |||
===「非」記録的な平均律=== | |||
====Local zeta平均律==== | |||
====Local anti-zeta平均律==== | |||
====どちらとも言えない平均律==== | |||
==最適なオクターブ伸縮== | ==最適なオクターブ伸縮== | ||
==素数を削除する== | ==素数を削除する== | ||
===黒魔術公式=== | ===黒魔術公式=== | ||
==ゼータの機械計算== | ==ゼータの機械計算== | ||
==未解決問題== | |||
==関連項目== | ==関連項目== | ||
==外部リンク== | ==外部リンク== | ||
2025年8月8日 (金) 04:15時点における最新版
en:The Riemann zeta function and tuningの翻訳の下書きです。
リーマンゼータ関数は有名な数学関数であり、200年もの間未解決の素数の分布に関する問題である、リーマン予想 (Wikipedia) との関係がよく知られている。しかし、平均律の「調和性」を測定するという驚くべき音楽的解釈もある。簡単に言うと、ある意味でゼータ関数は、与えられた平均律が倍音列、それどころか「無限リミット純正音程」までの全ての有理数までもに対し、どの程度近似しているかを示してくれる。
その結果、ゼータ関数は解析的整数論への使用が最もよく知られているが、調律論の背景にも常に存在している——調和エントロピー(英: harmonic entropy)はゼータ関数のフーリエ変換に関連する可能性があることを示している。また、無限リミットまで拡張すると、種々の調律論的な計量から、ゼータ関数と関連する式が得られる。時々、これらはゼータ関数のシンプルな式から導出できる「素数ゼータ関数」を基準にされることもある。
以下の文の多くはGene Ward Smith (en) の洞察のおかげである。以下の内容の初めはSmithの行ったオリジナルの導出であり、その後に、Smithの結果の一部を拡張した、Mike Battaglia (en) による別の導出が続く。
Gene Ward Smithによるオリジナルの導出
導出の準備
x をオクターブの等分割を表す変数であるとする。例えば、x = 80 の場合、x は 15 ¢ のステップサイズと純正なオクターブを持つ80平均律 (en) であることを表す。x は連続値でも良く、分数または「非オクターブ」の分割も表すことができるとする。例えばボーレン・ピアース・スケール (en) (3/1 の13等分、13EDT)は、「オクターブ」の約 8.202 等分であり(ただし、オクターブ自体はこのチューニングには現れない)、したがって、x = 8.202 の値で表される。
ここで ||x|| を、x と x に最も近い整数との差を表すものとする。例えば、 ||8.202|| は 8.202 と最も近い整数である 8 との差であるため、0.202 となる。||7.95|| は 7.95 と最も近い整数である 8 との差なので 0.05 となる。数学的には、||x|| は床関数 [math]\displaystyle{ \lfloor \rfloor }[/math] を用いて関数 [math]\displaystyle{ \left| x - \left\lfloor x + 1/2 \right\rfloor \right| }[/math] と表せる。
どのような x の値に対しても、p-リミット一般化パテントヴァル(英: Generalized patent val)を構成できる。具体的には、p 以下の素数 q について、log2(q) × x を最も近い整数に丸めたものが、q に対応する値となる。つまり [math]\displaystyle{ \left\lfloor x \log_2{q} + 1/2 \right\rfloor }[/math] である。
ここで、以下の関数を考える。[math]\displaystyle{ \mathbb{P} }[/math] を素数全体の集合とする。
- [math]\displaystyle{ \displaystyle \xi_p(x) = \sum_{\substack{2 \le q \le p \\ q \in \mathbb{P}}} \left(\frac{||x \log_2 q||}{\log_2 q}\right)^2 }[/math]
この関数には、関連する一般化パテントヴァルに対応する局所的極小値がある。極小値は、関連するヴァルのオクターブのTenney–Euclidean調律である x の値に対して発生する。一方、これらの極小値における [math]\displaystyle{ \xi_p(x) }[/math] の値は、ヴァルのTenney–Euclidean相対誤差の2乗であり、TE誤差とTE複雑度の積に等しい。「TE単純悪さ (en) 」として知られている。
ここで、特定の素数リミットの式ではなく、すべての素数に適用される式が必要だとする。上式は無限和にすると収束しない。しかし、重み係数をべき乗に変更すると収束するようになる。
- [math]\displaystyle{ \displaystyle \sum_{\substack{2 \le q \le p \\ q \in \mathbb{P}}} \frac{||x \log_2 q||^2}{q^s} }[/math]
s が1より大きい場合これは収束する。ただしいくつかの調整が必要になる場合がある。まず調律が一貫的であるのに十分なほど誤差が小さい場合、素数の2乗の誤差は素数の誤差の2倍になり、3乗の誤差は3倍になり、誤差が一貫的でなくなるまで続く。重み付けに対数が使用され、誤差測定値が一貫している場合、対数重み付けによってこの効果が打ち消されるため、素数べき乗が暗黙的にTenney–Euclidean測定値に含まれていると考えることができる。各素数べき乗 pn に 1/n をかけることで、それらを含めることができる。これを実行した結果を記述するためのやや独特だが便利な方法は、フォン・マンゴルト関数 (Wikipedia) を使用したものである。これは、素数べき乗 pn では ln p に等しく、その他の場合は 0 となる正の整数上に定義される数論的関数 (Wikipedia) である。これは大文字のラムダを使用して Λ(n) と記述され、これを使って、誤差関数に素数べき乗を次のように含めることができる。
- [math]\displaystyle{ \displaystyle \xi_{\infty,s}(x) = \sum_{n = 2}^{\infty} \frac{\Lambda(n)}{\ln n} \frac{||x \log_2 n||^2}{n^s} }[/math]
ここで、和は形式的には 2 以上のすべての整数に対して取られるが、実際は素数とそのべき乗以外はフォン・マンゴルト関数の定義より 0 である。
上記の定義のもう一つの帰結として、滑らかな関数が望ましいのに不連続な導関数を持つ関数になるという点に異論があるかもしれない(詳細はWikipedia:微分#連続性と可微分性を参照)。関数 ||x||2 は x の整数値付近で二次増加し、周期1で周期的である。同じ特性を持つ別の関数で 1 − cos(2πx) がある。これは滑らかであり、実際は整関数 (Wikipedia) である。そこで、任意の s > 1 について以下のように定義する。
- [math]\displaystyle{ \displaystyle E_s(x) = \sum_{n = 2}^{\infty} \frac{\Lambda(n)}{\ln n} \frac{1 - \cos(2 \pi x \log_2 n)}{n^s} }[/math]
任意の固定された s > 1 に対し、この関数はすべての x に対して定義された実解析関数 (Wikipedia) を与える。つまり、望んだ全ての滑らかさの特性を備えている。
この定義を整理すると、本質的に同じ関数が得られる。
- [math]\displaystyle{ \displaystyle F_s(x) = \sum_{n = 2}^{\infty} \frac{\Lambda(n)}{\ln n} \frac{\cos(2 \pi x \log_2 n)}{n^s} }[/math]
この新しい関数は元の関数との間で [math]\displaystyle{ F_s(x) = F_s(0) - E_s(x) }[/math] という関係式が成り立ち、つまりこの関数は [math]\displaystyle{ E_s(x) }[/math] の符号を反転しそれを垂直方向に平行移動したものである。これで誤差が小さい場合、極小値になるのではなく極大値になるようになる。さらに興味深いのはこれが既知の数学関数であり、リーマンゼータ関数 (Wikipedia) の対数の実部で表現できるという事実である。Wikipedia:フォン・マンゴルト関数#ディリクレ級数に載っているディリクレ級数
- [math]\displaystyle{ \displaystyle \ln \zeta(s) = \sum_{n = 2}^{\infty} \frac{\Lambda(n)}{\ln n} \frac{1}{n^s} }[/math]
を使い、また、オイラーの公式 [math]\displaystyle{ e^{ix}=\cos{x}+i\sin{x} }[/math] より [math]\displaystyle{ \text{Re}(e^{-ix})=\cos x }[/math] なので、
- [math]\displaystyle{ \displaystyle \cos(2\pi x \log_2{n})=\text{Re}(e^{-\log_2 n\times 2\pi ix})=\text{Re}(e^{-\ln n\times2\pi ix/\ln 2})=\text{Re}(n^{-2\pi ix/\ln 2}) }[/math]
[math]\displaystyle{ F_s(x) }[/math] は実関数なので、
- [math]\displaystyle{ \displaystyle F_s(x)=\sum_{n = 2}^{\infty} \frac{\Lambda(n)}{\ln n} \frac{\text{Re}(n^{-2\pi ix/\ln2})}{n^s}=\text{Re}\left(\sum_{n = 2}^{\infty} \frac{\Lambda(n)}{\ln n} \frac{n^{-2\pi ix/\ln2}}{n^s}\right)=\text{Re}\left(\sum_{n = 2}^{\infty} \frac{\Lambda(n)}{\ln n} \frac{1}{n^{s+2\pi ix/\ln2}}\right)=\text{Re}\left( \ln \zeta \left(s + \dfrac{2 \pi i x}{\ln 2} \right) \right) }[/math]
複素数 [math]\displaystyle{ z }[/math] に対し、 [math]\displaystyle{ \ln z = \ln |z| + i \arg z }[/math] より [math]\displaystyle{ \text{Re}(\ln x)=\ln|x| }[/math] なので
- [math]\displaystyle{ \displaystyle F_s(x) = \ln \left|\zeta \left(s + \dfrac{2 \pi i x}{\ln 2} \right)\right| }[/math]
が導出でき、両辺で指数関数をとれば、
- [math]\displaystyle{ \displaystyle e^{F_s(x)} = \left| \zeta \left(s + \dfrac{2 \pi i x}{\ln 2} \right) \right| }[/math]
がわかる。したがって、ゼータ関数の絶対値は均等分割における相対誤差を測定するのに役立つことがわかる。