「OtonalityとUtonality」の版間の差分

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| ja = OtonalityとUtonality
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== Wikipediaによる解説 ==
== Wikipediaによる解説 ==
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=== 概要 ===
=== 概要 ===
'''Otonality'''と'''Utonality'''は、Harry Partchによって導入された用語であり、コードについて述べるときに使用される。そのコードとは、各音の{{w|ピッチクラス}}が一つの根音を基準とした{{w|倍音#各倍音と倍音列|倍音列}}、または{{w|en:subharmonic|下方倍音列}}により与えられるものである。例えば、'''1'''/1、'''2'''/1、'''3'''/1....または、1/'''1'''、1/'''2'''、1/'''3'''......のように。
'''otonality'''と'''utonality'''は、Harry Partchによって導入された用語であり、コードについて述べるときに使用される。そのコードとは、各音の{{w|ピッチクラス}}が一つの根音を基準とした{{w|倍音#各倍音と倍音列|倍音列}}、または{{w|en:subharmonic|下方倍音列}}により与えられるものである。例えば、'''1'''/1、'''2'''/1、'''3'''/1....または、1/'''1'''、1/'''2'''、1/'''3'''......のように。


<blockquote>Otonalityはそれぞれの値(...identities)を持つ分子と共通する(...numerary nexus)分母によって生成された音高集合である。逆に、UtonalityはOtonalityの逆数であり、共通する分子とそれぞれの分母からなる。</blockquote>
<blockquote>Otonalityはそれぞれの値(...identities)を持つ分子と共通する(...numerary nexus)分母によって生成された音高集合である。逆に、UtonalityはOtonalityの逆数であり、共通する分子とそれぞれの分母からなる。</blockquote>
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<blockquote>Utonalityは…Otonalityの逆数のようなコードである。そのOtonalityが持つ音程の連なりを、根音から逆に下方向に積んでゆく。言うならば倍音列のようなコードではなく下方倍音列、undertoneのようなコードになる。</blockquote>
<blockquote>Utonalityは…Otonalityの逆数のようなコードである。そのOtonalityが持つ音程の連なりを、根音から逆に下方向に積んでゆく。言うならば倍音列のようなコードではなく下方倍音列、undertoneのようなコードになる。</blockquote>


Otonalityは、周波数比でもって固定的な根音との関係を表したピッチ集合であり、その分母は等しく分子は連続した整数である。例えば、[[1/1]] と [[5/4]]、そして [[3/2]](純正長三和音)は、Otonalityである。なぜなら、それらは 4/4、5/4、6/4 と表されるからである。連比で 4:5:6 と書ける。各Otonalityはしたがって、Harmonic Series(1:2:3:4:5:6:7:8:9:10....によって表されるもの)のメンバーによって構成されている。同様に、Utonalityの周波数比は同じ分子を共有し分母が連続する整数である。[[7/4]]、[[7/5]]、[[7/6]]、そして1/1(7/7)はUtonalityを形作る。これは(正式な書き方がないが)1/(4:5:6:7) や 7/(7:6:5:4) のように書かれる。各Utonalityはそれゆえ、Subhamonic Seriesにより構成される。
otonalityは、周波数比でもって固定的な根音との関係を表したピッチ集合であり、その分母は等しく分子は連続した整数である。例えば、[[1/1]] と [[5/4]]、そして [[3/2]](純正長三和音)は、otonalityである。なぜなら、それらは 4/4、5/4、6/4 と表されるからである。連比で 4:5:6 と書ける。各otonalityはしたがって、harmonic series(1:2:3:4:5:6:7:8:9:10....によって表されるもの)のメンバーによって構成されている。同様に、utonalityの周波数比は同じ分子を共有し分母が連続する整数である。[[7/4]]、[[7/5]]、[[7/6]]、そして1/1(7/7)はutonalityを形作る。これは(正式な書き方がないが)1/(4:5:6:7) や 7/(7:6:5:4) のように書かれる。各utonalityはそれゆえ、subhamonic seriesにより構成される。


Otonalityは周波数比の等差数列、または弦楽器の弦の高次モードに対応する。金管楽器は自然とOtonalityのような高次倍音を生成する。そして実際、Otonalityはひとつの基音の倍音に内在するものである。トゥバの{{w|喉歌}}という歌い方の歌い手は、彼らの声道によりOtonalityを生成する。
otonalityは周波数比の等差数列、または弦楽器の弦の高次モードに対応する。金管楽器は自然とotonalityのような高次倍音を生成する。そして実際、otonalityはひとつの基音の倍音に内在するものである。トゥバの{{w|喉歌}}という歌い方の歌い手は、彼らの声道によりotonalityを生成する。


Utonalityは反対に、周波数のSubaharmonic seriesと、または、波長(周波数の逆数)の等差数列と対応する。その数学的比例関係は、「たぶんUtonality(minor tonality)の実演とみなせる」。
utonalityは反対に、周波数のsubaharmonic seriesと、または、波長(周波数の逆数)の等差数列と対応する。その数学的比例関係は、「utonality(minor tonality)の実演とみなすことができる」。


もしotonalityとutonalityを広義に定義するなら、全ての純正和音はotonalityかつutonalityである。例えば、短三和音は基音の第10、第12、第15倍音('''10'''/10、'''12'''/10、'''15'''/10)として組み立てられ、その点でotonalityの定義に合う。よりよい狭義の定義として、これらの倍音列(または、下方倍音列)は連続していなければならないものとする。よって 4:5:6 はotonalityであり、10:12:15 はそうではなくなる。(4:5:6 のコード・ヴォイシングによる 5:6:8 や 3:4:5:6 などは同様にotonalitiesとみなされるだろう。)この定義だと、ごく少数の種類のコードだけがotonalitiesまたはutonalitiesとなる資格を得る。otonalityな三和音は長三和音 4:5:6 と減三和音 5:6:7 だけ、四和音はドミナントセブンス 4:5:6:7 だけとなる。
もしotonalityとutonalityを広義に定義するなら、全ての純正和音はotonalityかつutonalityである。例えば、短三和音は基音の第10、第12、第15倍音('''10'''/10、'''12'''/10、'''15'''/10)として組み立てられ、その点でotonalityの定義に合う。よりよい狭義の定義として、これらの倍音列(または、下方倍音列)は連続していなければならないものとする。よって 4:5:6 はotonalityであり、10:12:15 はそうではなくなる。(4:5:6 のコード・ヴォイシングによる 5:6:8 や 3:4:5:6 などは同様にotonalitiesとみなされるだろう。)この定義だと、ごく少数の種類のコードだけがotonalitiesまたはutonalitiesとなる資格を得る。otonalityな三和音は長三和音 4:5:6 と減三和音 5:6:7 だけ、四和音はドミナントセブンス 4:5:6:7 だけとなる。
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{{Main|{{w|リーマン理論}}}}
{{Main|{{w|リーマン理論}}}}


Harry Partchは、1931年に「Otonality」と「Utonality」を造語したのは、Henry Cowellsによる「New Musical Resouces」においてのundertoneの議論を読んで「急き立てられた」のだと述べた。
Harry Partchは、1931年に「otonality」と「utonality」を造語したのは、Henry Cowellsによる「New Musical Resouces」においてのundertoneの議論を読んで「急き立てられた」のだと述べた。


5リミットのOtonalityは単純な純正長三和音であり、5リミットのUtonalityは純正短三和音である。したがってOtonalityとUtonalityはメジャーとマイナーのTonalityと見ることができる。しかしながら、一般的な音楽理論でマイナーコードは、ルートから短3度と完全5度で形成されるが、Utonalityは通常5度とみなされる音から下方向に組み立てられるものである。それゆえ一致は完全ではない。これは{{w|フーゴー・リーマン}}の二元論と一致する。
5リミットのotonalityは単純な純正長三和音であり、5リミットutonalityは純正短三和音である。したがってotonalityとutonalityはメジャーとマイナーのtonalityと見ることができる。しかしながら、一般的な音楽理論でマイナーコードは、ルートから短3度と完全5度で形成されるが、utonalityは通常5度とみなされる音から下方向に組み立てられるものである。それゆえ一致は完全ではない。これは{{w|フーゴー・リーマン}}の二元論と一致する。


(後略)
(後略)
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=== 序論 ===
=== 序論 ===
純正コードが与えられたとき、どのようにしてわれわれはotonalなコード(倍音で構成されたコード)かutonalなコード(下倍音で構成されたコード)かを判断できるだろうか。最初は、それは明らかだと思われるだろうが、しかし実際は驚くことに微妙なものなのである。たとえば、10:12:15 という純正コードは、5奇数リミットのutonality(Utonalの名詞形)(1/6:1/5:1/4)である。しかしまた、10,12,15倍音による15奇数リミットのotonalityとも受け取れる。1つの筋の通った定義は、もし最大の奇数が、そのInverse(その中の全ての周波数比を逆数にした和音)の最大の奇数より小さい場合、それはotonalであり、そしてinverseがより小さい最も大きい奇数を持つならば、utonalである。言い直すと、コードをinvertすることによって[[アドリミット|奇数リミット]](otonal limit)が増加するならば元のコードはotonalで、減少するならばutonalである。つまり 4:5:6(長三和音)はotonalである。なぜならばそのinverseである 10:12:15(短三和音)よりも単純であるからである。そしてまた、10:12:15 はutonalである。なぜならそれは 1/6:1/5:1/4 とより単純に表されるからである。ここで我々は整数リミットではなく奇数リミットを使っているため、この定義はコードヴォイシングに影響されない。4:5:6 が 3:4:5 や 2:3:5 にヴォイシングされても変わらずotonalである。
[[純正律]]のコードが与えられたとき、どのようにしてわれわれはotonalなコード(倍音で構成されたコード)かutonalなコード(下倍音で構成されたコード)かを判断できるだろうか。最初は、それは明らかだと思われるだろうが、しかし実際は驚くことに微妙なものなのである。たとえば、10:12:15 という純正コードは、5奇数リミットのutonality(utonalの名詞形)(1/6:1/5:1/4)である。しかしまた、10,12,15倍音による15奇数リミットのotonalityとも受け取れる。1つの筋の通った定義は、もし最大の奇数が、そのinverse(その中の全ての周波数比を逆数にした和音)の最大の奇数より小さい場合、それはotonalであり、そしてinverseがより小さい最も大きい奇数を持つならば、utonalである。言い直すと、コードをinvertすることによって[[アドリミット|奇数リミット]](ここではotonal limit)が増加するならば元のコードはotonalで、減少するならばutonalである。つまり 4:5:6(長三和音)はotonalである。なぜならばそのinverseである 10:12:15(短三和音)よりも単純であるからである。そしてまた、10:12:15 はutonalである。なぜならそれは 1/6:1/5:1/4 とより単純に表されるからである。ここで我々は整数リミットではなく奇数リミットを使っているため、この定義はコードヴォイシングに影響されない。4:5:6 が 3:4:5 や 2:3:5 にヴォイシングされても変わらずotonalである。


補足をすると、4:5:6 のinverseは 1/6:1/5:1/4 であり、最小公倍数を掛けて整数化すれば 10:12:15 となる。4:5:6 の奇数リミットは 5 であり、inverseの奇数リミットは 15 である。このとき 5 のほうが 15 より小さいので、4:5:6 がotonalであり、10:12:15 がutonalである。このinverseという用語は一般的に言うinversion/complement(転回音程、コードの転回形)とは異なる意味で、リーマン理論に基づく。
補足をすると、4:5:6 のinverseは 1/6:1/5:1/4 であり、最小公倍数を掛けて整数化すれば 10:12:15 となる。4:5:6 の奇数リミットは 5 であり、inverseの奇数リミットは 15 である。このとき 5 のほうが 15 より小さいので、4:5:6 がotonalであり、10:12:15 がutonalである。このinverseという用語は一般的に言うinversion/complement(転回音程、コードの転回形)とは異なる意味で、リーマン理論に基づく。
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=== 正確な定義 ===
=== 正確な定義 ===
定義をもっと精密にするために、以下の定義を行う。①JIコードを正の有理数の集合で表す。②JIコードの全奇数化ヴォイシングとは、それらの有理数の分母と分子から全ての素因数 2 を取り除く(そしてもともとオクターブ違いなだけで重複していた音程は整理する)ことである。③簡約JIコードとは、ここから分母を払って(システマチックには全分母の{{w|最小公倍数|LCM}を掛けて分母を解消し、残った分子の{{w|最大公約数|GCD}}を求めて1より大きかったらそれで割る)奇数の集合にすること。
定義をもっと精密にするために、以下の定義を行う。①JIコードを正の有理数の集合で表す。②JIコードの全奇数化ヴォイシングとは、それらの有理数の分母と分子から全ての素因数 2 を取り除く(そしてもともと[[オクターブ]]違いなだけで重複していた音程は整理する)ことである。③簡約JIコードとは、ここから分母を払って(システマチックには全分母の{{w|最小公倍数|LCM}}を掛けて分母を解消し、残った分子の{{w|最大公約数|GCD}}を求めて 1 より大きかったらそれで割る)奇数の集合にすること。


例として、{5/6, 5/3, 5/2, 25/16} というコードを考える。全奇数化すると {5/3, 5/1, 25/1} となり、分母を解消すると {5, 15, 75} となり、比を簡単にすると {1, 3, 15} となる。コードのinverseはコードの全ての有理数を逆数にすることによって得られるので、本例では {6/5, 3/5, 2/5, 16/25} となり、これを簡約形まで持ってくると {1, 5, 15} となる。元のコードの簡約形の最大の奇数とinverseの簡約形の最大の奇数を比較し、元のコードのほうが小さいなら'''otonal'''、inverseのほうが小さいなら'''utonal'''、本例のように等しいなら'''ambitonal'''という。ambitonal chordのほかの例は、8:9:12(sus2コード、inverseにすると 6:8:9 = sus4になって最大奇数は同じ 9 になる)、8:10:15(maj7 omit5、inverseにすると 8:12:15 = maj7 omit3になる)など。
例として、{5/6, 5/3, 5/2, 25/16} というコードを考える。全奇数化すると {5/3, 5/1, 25/1} となり、分母を解消すると {5, 15, 75} となり、比を簡単にすると {1, 3, 15} となる。コードのinverseはコードの全ての有理数を逆数にすることによって得られるので、本例では {6/5, 3/5, 2/5, 16/25} となり、これを簡約形まで持ってくると {1, 5, 15} となる。元のコードの簡約形の最大の奇数とinverseの簡約形の最大の奇数を比較し、元のコードのほうが小さいなら'''otonal'''、inverseのほうが小さいなら'''utonal'''、本例のように等しいなら'''ambitonal'''という。ambitonal chordのほかの例は、8:9:12(sus2コード、inverseにすると 6:8:9 = sus4になって最大奇数は同じ 9 になる)、8:10:15(maj7 omit5、inverseにすると 8:12:15 = maj7 omit3になる)など。


コードがヴォイシングで回文的(つまり上下対称)にできるなら、それはinverseも自分自身になり、もちろんambitonalになる(全てのambitonalが回文コードになるわけではない)。例えばm7(マイナーセブンス)は 1-m3-P5-m7 で間隔を見ると 短3度、長3度、短3度の積み重ねとなっていて回文的であり、ambitonalとなる。(ここで上の短3度を 6:7 と解釈するとか減三和音を 5:6:7 と解釈するとか言わないように。少なくともここまでは純正律のコードであることが前提の説明をしているのであり、短3度が 6/5 と 7/6 のどちらも意味するなら一つ一つどちらなのか判別がつくように書かなければいけない。えっ、[[32/27]] じゃないのかって?そうですね…)
コードがヴォイシングで回文的(つまり上下対称)にできるなら、それはinverseも自分自身になり、もちろんambitonalになる(全てのambitonalが回文コードになるわけではない)。例えばm7(マイナーセブンス)は 1-m3-P5-m7 で間隔を見ると 短3度、長3度、短3度の積み重ねとなっていて回文的であり、ambitonalとなる。<ref>訳者補足: ここで上の短3度を 6:7 と解釈するとか言わないように。少なくともここまでは純正律のコードであることが前提の説明をしているのであり、短3度が 6/5 と 7/6 のどちらも意味するなら一つ一つどちらなのか判別がつくように書かなければいけない。えっ、[[32/27]] じゃないのかって?そうですね…</ref>


== 二和音と音程 ==
==== 二和音と音程 ====
この定義により全ての{{en仮リンク|monad}}{{en仮リンク|二和音|dyad}}はambitonalである。(二和音(ダイアド)と音程は異なるものである。2:3:4 は二和音のヴォイシングであり音程とは言えず、2/1 はオクターブという音程だが二和音とは言えない。)
この定義により全ての{{en仮リンク|monad}}(ユニゾンやオクターブユニゾン)と{{en仮リンク|二和音|dyad}}はambitonalである。(二和音(ダイアド)と音程は異なるものである。2:3:4 は二和音のヴォイシングであり音程とは言えず、2/1 はオクターブという音程だが二和音とは言えない。)


なので音程の命名に使われるharmonic/subharmonicはotonal/utonalと同じやり方で扱ってはいけない。例えば 43/32 は"prime harmonic fourth"と命名されている(43倍音を単音程化したものだから)のだが、これを二和音と見ようとするならそのヴォイシングの 32:43:64 を考えると 64/43 "prime subharmonic fifth"と区別がつかなくなってしまいどちらがotonalだとか言うことができなくなる。そして実際にこの音程を二和音と考えるならそれがharmonicかsubharmonicかはそのヴォイシングを踏まえて考える必要がある。


<!--===補足===
(中略)
 Xenharmonic wikiには直接的に書かれていないが、補足を行う。


UtonalityとOtonalityは必ず3和音である。2音はすべて1つのHarmonic Seriesとなるからである。またOtonal chord・Otonalityはx/k、y/k、z/kで表わせ、Utonal chord・Utonalityはk/x、k/y、k/zで表されるコードである。日本語にするならば、それぞれ上倍音による3和音、下倍音による3和音となるのではないだろうか。-->
=== Ambitonal chord theorem ===
JIコードが、GCDが 1 となる整数の集合として表されているとする。(この段落では一般的な性質を述べているので、全奇数化についてはふれていない。というかこの議論をオクターブ等価性抜きで理解してもそれはそれで成立する。)このコードのinverseは LCM(元のコード)/(元のコードの各音) を集めた集合となる。
 
あるコードがambitonalであるとする。ということはコードの最大の整数 max(chord) と、コードのinverseの最大の整数つまり LCM(chord)/min(chord) が等しくなるので、min(chord)*max(chord) = LCM(chord) となる。逆にGCDが 1 となる整数の集合がこの式を満たせば、それはambitonal chordとなる。
 
従って、素数でない奇数を ''N'' とし(素数でもいいのだが二和音以下になるので自明)、''N'' の約数の部分集合の全てのパターンを考えることでLCMが ''N'' となる全てのambitonal chordを見つけることができる。取り出した約数が3個以上(2個以下なら二和音以下なので自明)だとして、その部分集合のGCDが 1、LCMが ''N''、そして min(subset)*max(subset) = ''N'' ならばambitonal chordとなる。部分集合に 1 と ''N'' が含まれるなら必ずambitonalになるが、それ以外にもambitonalとなる部分集合があり得る。
 
(例略)
 
=== スケール ===
これらの定義をJIコードと同様にJIスケールに適用することができる。例えば、Ptolemy–Zarlinoの伝統的な純正律スケール 1/1-9/8-5/4-4/3-3/2-5/3-15/8-2/1 は簡約すると {1, 3, 5, 9, 15, 27, 45} になる。John Redfieldが作成したdiatonicスケール<ref>[[:en:John H. Chalmers]], ''Divisions of the Tetrachord'' (1993), p. 106. (短調向けの左手型Zarlinoと同じもの)</ref>は 1/1-10/9-5/4-4/3-3/2-5/3-15/8-2/1 で、簡約すると {3, 5, 9, 15, 27, 45, 135} になる。これらは互いにinverseであり、Zarlino diatonicはotonalであり、Redfield diatonicはutonalである。このようなやり方で、いくつかのスケール種別が特定の性質を持つことがわかる。例えば、{{en仮リンク|Euler–Fokker genus}}、{{en仮リンク|組み合わせ積集合|Combination product sets}}のうち ''n'' = 2''k'' のもの、{{en仮リンク|調性ダイヤモンド|Tonality diamond}}は必然的にambitonalになり、{{en仮リンク|dwarf}} scaleはotonalかambitonalになる。
 
(後略)
 
== 脚注 ==
<references />

2025年10月17日 (金) 12:53時点における最新版


Wikipediaによる解説

導入としてまず、Wikipediaの内容を記す。

From wikipedia: https://en.wikipedia.org/wiki/Otonality_and_Utonality oldid=1292303276

概要

otonalityutonalityは、Harry Partchによって導入された用語であり、コードについて述べるときに使用される。そのコードとは、各音のピッチクラスが一つの根音を基準とした倍音列、または下方倍音列により与えられるものである。例えば、1/1、2/1、3/1....または、1/1、1/2、1/3......のように。

Otonalityはそれぞれの値(...identities)を持つ分子と共通する(...numerary nexus)分母によって生成された音高集合である。逆に、UtonalityはOtonalityの逆数であり、共通する分子とそれぞれの分母からなる。

定義

Utonalityは…Otonalityの逆数のようなコードである。そのOtonalityが持つ音程の連なりを、根音から逆に下方向に積んでゆく。言うならば倍音列のようなコードではなく下方倍音列、undertoneのようなコードになる。

otonalityは、周波数比でもって固定的な根音との関係を表したピッチ集合であり、その分母は等しく分子は連続した整数である。例えば、1/15/4、そして 3/2(純正長三和音)は、otonalityである。なぜなら、それらは 4/4、5/4、6/4 と表されるからである。連比で 4:5:6 と書ける。各otonalityはしたがって、harmonic series(1:2:3:4:5:6:7:8:9:10....によって表されるもの)のメンバーによって構成されている。同様に、utonalityの周波数比は同じ分子を共有し分母が連続する整数である。7/47/57/6、そして1/1(7/7)はutonalityを形作る。これは(正式な書き方がないが)1/(4:5:6:7) や 7/(7:6:5:4) のように書かれる。各utonalityはそれゆえ、subhamonic seriesにより構成される。

otonalityは周波数比の等差数列、または弦楽器の弦の高次モードに対応する。金管楽器は自然とotonalityのような高次倍音を生成する。そして実際、otonalityはひとつの基音の倍音に内在するものである。トゥバの喉歌という歌い方の歌い手は、彼らの声道によりotonalityを生成する。

utonalityは反対に、周波数のsubaharmonic seriesと、または、波長(周波数の逆数)の等差数列と対応する。その数学的比例関係は、「utonality(minor tonality)の実演とみなすことができる」。

もしotonalityとutonalityを広義に定義するなら、全ての純正和音はotonalityかつutonalityである。例えば、短三和音は基音の第10、第12、第15倍音(10/10、12/10、15/10)として組み立てられ、その点でotonalityの定義に合う。よりよい狭義の定義として、これらの倍音列(または、下方倍音列)は連続していなければならないものとする。よって 4:5:6 はotonalityであり、10:12:15 はそうではなくなる。(4:5:6 のコード・ヴォイシングによる 5:6:8 や 3:4:5:6 などは同様にotonalitiesとみなされるだろう。)この定義だと、ごく少数の種類のコードだけがotonalitiesまたはutonalitiesとなる資格を得る。otonalityな三和音は長三和音 4:5:6 と減三和音 5:6:7 だけ、四和音はドミナントセブンス 4:5:6:7 だけとなる。

微分音作曲家達はこのコンセプトをすべての純正律コードに適用できるように拡張した。(中略)

一般的な西洋音楽理論との関係性

Harry Partchは、1931年に「otonality」と「utonality」を造語したのは、Henry Cowellsによる「New Musical Resouces」においてのundertoneの議論を読んで「急き立てられた」のだと述べた。

5リミットのotonalityは単純な純正長三和音であり、5リミットutonalityは純正短三和音である。したがってotonalityとutonalityはメジャーとマイナーのtonalityと見ることができる。しかしながら、一般的な音楽理論でマイナーコードは、ルートから短3度と完全5度で形成されるが、utonalityは通常5度とみなされる音から下方向に組み立てられるものである。それゆえ一致は完全ではない。これはフーゴー・リーマンの二元論と一致する。

(後略)

Xenharmonic Wikiによる解説

序論

純正律のコードが与えられたとき、どのようにしてわれわれはotonalなコード(倍音で構成されたコード)かutonalなコード(下倍音で構成されたコード)かを判断できるだろうか。最初は、それは明らかだと思われるだろうが、しかし実際は驚くことに微妙なものなのである。たとえば、10:12:15 という純正コードは、5奇数リミットのutonality(utonalの名詞形)(1/6:1/5:1/4)である。しかしまた、10,12,15倍音による15奇数リミットのotonalityとも受け取れる。1つの筋の通った定義は、もし最大の奇数が、そのinverse(その中の全ての周波数比を逆数にした和音)の最大の奇数より小さい場合、それはotonalであり、そしてinverseがより小さい最も大きい奇数を持つならば、utonalである。言い直すと、コードをinvertすることによって奇数リミット(ここではotonal limit)が増加するならば元のコードはotonalで、減少するならばutonalである。つまり 4:5:6(長三和音)はotonalである。なぜならばそのinverseである 10:12:15(短三和音)よりも単純であるからである。そしてまた、10:12:15 はutonalである。なぜならそれは 1/6:1/5:1/4 とより単純に表されるからである。ここで我々は整数リミットではなく奇数リミットを使っているため、この定義はコードヴォイシングに影響されない。4:5:6 が 3:4:5 や 2:3:5 にヴォイシングされても変わらずotonalである。

補足をすると、4:5:6 のinverseは 1/6:1/5:1/4 であり、最小公倍数を掛けて整数化すれば 10:12:15 となる。4:5:6 の奇数リミットは 5 であり、inverseの奇数リミットは 15 である。このとき 5 のほうが 15 より小さいので、4:5:6 がotonalであり、10:12:15 がutonalである。このinverseという用語は一般的に言うinversion/complement(転回音程、コードの転回形)とは異なる意味で、リーマン理論に基づく。

コードのinverseは高次元(5度と3度を異なる方向で表したものなど)のピッチ空間においてコードの表現を全ての軸で反転(2次元の場合なら180度回転とイメージしてよい)することと可視化できる。

正確な定義

定義をもっと精密にするために、以下の定義を行う。①JIコードを正の有理数の集合で表す。②JIコードの全奇数化ヴォイシングとは、それらの有理数の分母と分子から全ての素因数 2 を取り除く(そしてもともとオクターブ違いなだけで重複していた音程は整理する)ことである。③簡約JIコードとは、ここから分母を払って(システマチックには全分母のLCMを掛けて分母を解消し、残った分子のGCDを求めて 1 より大きかったらそれで割る)奇数の集合にすること。

例として、{5/6, 5/3, 5/2, 25/16} というコードを考える。全奇数化すると {5/3, 5/1, 25/1} となり、分母を解消すると {5, 15, 75} となり、比を簡単にすると {1, 3, 15} となる。コードのinverseはコードの全ての有理数を逆数にすることによって得られるので、本例では {6/5, 3/5, 2/5, 16/25} となり、これを簡約形まで持ってくると {1, 5, 15} となる。元のコードの簡約形の最大の奇数とinverseの簡約形の最大の奇数を比較し、元のコードのほうが小さいならotonal、inverseのほうが小さいならutonal、本例のように等しいならambitonalという。ambitonal chordのほかの例は、8:9:12(sus2コード、inverseにすると 6:8:9 = sus4になって最大奇数は同じ 9 になる)、8:10:15(maj7 omit5、inverseにすると 8:12:15 = maj7 omit3になる)など。

コードがヴォイシングで回文的(つまり上下対称)にできるなら、それはinverseも自分自身になり、もちろんambitonalになる(全てのambitonalが回文コードになるわけではない)。例えばm7(マイナーセブンス)は 1-m3-P5-m7 で間隔を見ると 短3度、長3度、短3度の積み重ねとなっていて回文的であり、ambitonalとなる。[1]

二和音と音程

この定義により全てのmonad (en) (ユニゾンやオクターブユニゾン)と二和音 (en) はambitonalである。(二和音(ダイアド)と音程は異なるものである。2:3:4 は二和音のヴォイシングであり音程とは言えず、2/1 はオクターブという音程だが二和音とは言えない。)

なので音程の命名に使われるharmonic/subharmonicはotonal/utonalと同じやり方で扱ってはいけない。例えば 43/32 は"prime harmonic fourth"と命名されている(43倍音を単音程化したものだから)のだが、これを二和音と見ようとするならそのヴォイシングの 32:43:64 を考えると 64/43 "prime subharmonic fifth"と区別がつかなくなってしまいどちらがotonalだとか言うことができなくなる。そして実際にこの音程を二和音と考えるならそれがharmonicかsubharmonicかはそのヴォイシングを踏まえて考える必要がある。

(中略)

Ambitonal chord theorem

JIコードが、GCDが 1 となる整数の集合として表されているとする。(この段落では一般的な性質を述べているので、全奇数化についてはふれていない。というかこの議論をオクターブ等価性抜きで理解してもそれはそれで成立する。)このコードのinverseは LCM(元のコード)/(元のコードの各音) を集めた集合となる。

あるコードがambitonalであるとする。ということはコードの最大の整数 max(chord) と、コードのinverseの最大の整数つまり LCM(chord)/min(chord) が等しくなるので、min(chord)*max(chord) = LCM(chord) となる。逆にGCDが 1 となる整数の集合がこの式を満たせば、それはambitonal chordとなる。

従って、素数でない奇数を N とし(素数でもいいのだが二和音以下になるので自明)、N の約数の部分集合の全てのパターンを考えることでLCMが N となる全てのambitonal chordを見つけることができる。取り出した約数が3個以上(2個以下なら二和音以下なので自明)だとして、その部分集合のGCDが 1、LCMが N、そして min(subset)*max(subset) = N ならばambitonal chordとなる。部分集合に 1 と N が含まれるなら必ずambitonalになるが、それ以外にもambitonalとなる部分集合があり得る。

(例略)

スケール

これらの定義をJIコードと同様にJIスケールに適用することができる。例えば、Ptolemy–Zarlinoの伝統的な純正律スケール 1/1-9/8-5/4-4/3-3/2-5/3-15/8-2/1 は簡約すると {1, 3, 5, 9, 15, 27, 45} になる。John Redfieldが作成したdiatonicスケール[2]は 1/1-10/9-5/4-4/3-3/2-5/3-15/8-2/1 で、簡約すると {3, 5, 9, 15, 27, 45, 135} になる。これらは互いにinverseであり、Zarlino diatonicはotonalであり、Redfield diatonicはutonalである。このようなやり方で、いくつかのスケール種別が特定の性質を持つことがわかる。例えば、Euler–Fokker genus (en) 組み合わせ積集合のうち n = 2k のもの、調性ダイヤモンド (en) は必然的にambitonalになり、dwarf (en) scaleはotonalかambitonalになる。

(後略)

脚注

  1. 訳者補足: ここで上の短3度を 6:7 と解釈するとか言わないように。少なくともここまでは純正律のコードであることが前提の説明をしているのであり、短3度が 6/5 と 7/6 のどちらも意味するなら一つ一つどちらなのか判別がつくように書かなければいけない。えっ、32/27 じゃないのかって?そうですね…
  2. en:John H. Chalmers, Divisions of the Tetrachord (1993), p. 106. (短調向けの左手型Zarlinoと同じもの)