編集の要約なし
編集の要約なし
 
7行目: 7行目:
{{Wikipedia}}
{{Wikipedia}}


'''純正律'''、'''純正調''' ('''just intonation''', '''JI''')は、 [[音律]]のアプローチのうちの一つで、全ての[[音程]]が[[Wikipedia: 有理数|有理数]]の[[比率]]で表される。'''純正音程''' (just interval)は自然倍音列の中に、任意の2つの倍音の間の音程として、自然に現れる(楽音であること、つまり倍音が基本周波数の整数倍である音であることを前提とする)。例えば、周波数比 3/2 の音程は第2倍音と第3倍音の間に現れる。純正律は楽音を発生させる楽器において効果的である。中でも簡単な整数比の純正音程は'''Low-complexity just intonation''' or interval (LCJI) と呼ばれる。
'''純正律'''、'''純正調''' (just intonation, JI) は、 [[音律]]のアプローチのうちの一つで、全ての[[音程]]が[[Wikipedia: 有理数|有理数]]の[[比率]]で表される。'''純正音程''' (just interval) は自然倍音列の中に、任意の2つの倍音の間の音程として、自然に現れる(楽音であること、つまり倍音が基本周波数の整数倍である音であることを前提とする)。例えば、周波数比 3/2 の音程は第2倍音と第3倍音の間に現れる。純正律は楽音を発生させる楽器において効果的である。中でも簡単な整数比の純正音程は'''Low-complexity just intonation/interval''' (LCJI) と呼ばれる。


理論的には、純正音程は対応する有理数と同様に無限に存在する。実用上は、制約をかけて音程を(協和音を残しつつ)妥当な数まで減らす。よく使われる制約は[[ジェネレーター]]の形式によるもの([[リミット]]など)、分母や分子を固定するもの({{en仮リンク|primodality}}など)、複雑性指標によるものなど。複数の制約を組み合わせて使うこともある。リミットと[[アドリミット]]など。
理論的には、純正音程は対応する有理数と同様に無限に存在する。実用上は、制約をかけて音程を(協和音を残しつつ)妥当な数まで減らす。よく使われる制約は[[ジェネレーター]]の形式によるもの([[リミット]]など)、分母や分子を固定するもの({{en仮リンク|primodality}}など)、複雑性指標によるものなど。複数の制約を組み合わせて使うこともある。リミットと[[アドリミット]]など。


20世紀以前の西洋音楽理論の文脈において、''just intonation''という語単独では[[5リミット]]のチューニングを指す。{{w|ベン・ジョンストン}}による''Extended just intonation''はリミットの制約がないものを指す。<ref>[https://masa.plainsound.org/pdfs/EJItext.pdf Sabat, Marc. ''On Ben Johnston’s Notation and the Performance Practice of Extended Just Intonation'']</ref> 本ウィキでは、単にJIと言った場合に特に制約を含意しない。他の呼び方としては'''rational intonation''' ('''RI''')や{{en仮リンク|free style JI}}がある。
20世紀以前の西洋音楽理論の文脈において、''just intonation''という語単独では[[5リミット]]のチューニングを指す。{{w|ベン・ジョンストン}}による''extended just intonation''はリミットの制約がないものを指す。<ref>[https://masa.plainsound.org/pdfs/EJItext.pdf Sabat, Marc. ''On Ben Johnston’s Notation and the Performance Practice of Extended Just Intonation'']</ref> 本wikiでは、単にJIと言った場合に特に制約を含意しない。他の呼び方としては'''rational intonation''' ('''RI''')や{{en仮リンク|free style JI}}がある。


純正律の構造は作曲においていくつかの影響を生む。ウルフの音程とコンマという2種類の不協和音程が、遠い関係の音高の間に現れる。加えて、特定のコード進行が{{en仮リンク|コンマポンプ|comma pump}}となる。これは、一連の進行で元の音高に戻っているつもりが、実際には(異名同音やそれに類する状態になっていて)コンマの分だけ音高がずれてしまうことをいう。これらは機能とも解決すべき問題ともとらえられる。問題を解く方向のアプローチがadaptive just intonationと[[テンペラメント]]などである。
純正律の構造は作曲においていくつかの影響を生む。ウルフの音程とコンマという2種類の不協和音程が、遠い関係の音高の間に現れる。加えて、特定のコード進行が{{en仮リンク|コンマポンプ|comma pump}}となる。これは、一連の進行で元の音高に戻っているつもりが、実際には(異名同音やそれに類する状態になっていて)コンマの分だけ音高がずれてしまうことをいう。これらは機能とも解決すべき問題ともとらえられる。問題を解く方向のアプローチがadaptive just intonationと[[テンペラメント]]などである。