「ジェネレーター読み替え操作」の版間の差分
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本項目では、標準形としてdefactoredエルミート標準形を採用していることにする。二つのマッピングが等価である、つまり標準形が一致しゆえに同じテンペラメントを表している場合、対応する[[ジェネレーターとピリオド|ジェネレーター]]基底も等価である。これはジェネレーターのサイズが一致しているという意味ではなく、それぞれのジェネレーターの組が基底となって最終的に同じピッチ集合を生成するということである。 | 本項目では、標準形としてdefactoredエルミート標準形を採用していることにする。二つのマッピングが等価である、つまり標準形が一致しゆえに同じテンペラメントを表している場合、対応する[[ジェネレーターとピリオド|ジェネレーター]]基底も等価である。これはジェネレーターのサイズが一致しているという意味ではなく、それぞれのジェネレーターの組が基底となって最終的に同じピッチ集合を生成するということである。 | ||
例として、5リミット[[ミーントーン]]の標準形は{{ket| {{val| 1 1 0 }} {{val| 0 1 4 }} }}であり、この形の場合は2つのジェネレーターは大まかに[[オクターブ]]と[[3/2|完全5度]]となる(なぜマッピングを見ただけでそれがわかるのか?→マッピングの1列目を見れば 2/1 を最初のジェネレーター1個で表すことが読み取れ、またまともなチューニングアルゴリズムなら最初のジェネレーターを 2400 セントとかではなくだいたい 1200 セントにチューニングするはずである。2個目は以下略)。しかしオクターブと完全5度の組み合わせでできるピッチ集合はオクターブと完全4度の組み合わせでも問題なく生成できる。具体的には、完全5度1個で到達できるピッチにはオクターブ上がって完全4度下がることによっても到達できるからである。なので5リミットミーントーンをオクターブと完全4度で組み立てるというシチュエーションの下では、マッピングを{{ket| {{val| 1 2 4 }} {{val| 0 -1 -4 }} }}と書けるとよい。 | 例として、5リミット[[ミーントーン]]の標準形は {{ket| {{val| 1 1 0 }} {{val| 0 1 4 }} }} であり、この形の場合は2つのジェネレーターは大まかに[[オクターブ]]と[[3/2|完全5度]]となる(なぜマッピングを見ただけでそれがわかるのか?→マッピングの1列目を見れば 2/1 を最初のジェネレーター1個で表すことが読み取れ、またまともなチューニングアルゴリズムなら最初のジェネレーターを 2400 セントとかではなくだいたい 1200 セントにチューニングするはずである。2個目は以下略)。しかしオクターブと完全5度の組み合わせでできるピッチ集合はオクターブと完全4度の組み合わせでも問題なく生成できる。具体的には、完全5度1個で到達できるピッチにはオクターブ上がって完全4度下がることによっても到達できるからである。なので5リミットミーントーンをオクターブと完全4度で組み立てるというシチュエーションの下では、マッピングを {{ket| {{val| 1 2 4 }} {{val| 0 -1 -4 }} }} と書けるとよい。 | ||
さらなる例として、ジェネレーターがなるべく素数音程になるようにしたいケースがあり、ミーントーンのマッピングをジェネレーターがオクターブと完全12度(トリターブ、3/1)の組み合わせになるように書けるとよい。完全5度1個で到達できるピッチには完全12度上がってオクターブ下がることによっても到達できるのでこれも問題なく行え、マッピングとして {{ket| {{val| 1 0 -4 }} {{val| 0 1 4 }} }} が得られる。 | |||
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そして1行目を差し替えて {{ket|{{val|1 0 -4}} {{val|0 1 4}}}} が得られる。 | そして1行目を差し替えて {{ket|{{val|1 0 -4}} {{val|0 1 4}}}} が得られる。 | ||
マッピングの書き換えた行(1行目)とサイズが変化するジェネレーター(2番目)が対応しないことを不思議に感じるかもしれない。2次元空間で位置を特定するのにそれぞれのジェネレーターが必要であることを思い出してほしい。この操作でマッピングの1行目が担っていた情報はほかの行に漏れていない。1行目だけで処理されていた音程は書き換え後もほかの行からは手伝いようがない。(本例ではマッピングの最初の列を見れば 2/1 | マッピングの書き換えた行(1行目)とサイズが変化するジェネレーター(2番目)が対応しないことを不思議に感じるかもしれない。2次元空間で位置を特定するのにそれぞれのジェネレーターが必要であることを思い出してほしい。この操作でマッピングの1行目が担っていた情報はほかの行に漏れていない。1行目だけで処理されていた音程は書き換え後もほかの行からは手伝いようがない。(本例ではマッピングの最初の列を見れば 2/1 をマッピングする仕事が変化していないのが一目瞭然である。)マッピングが等価であるためには、少なくとも1番目のジェネレーターのサイズを変更できないだろうことがわかる。逆に情報を漏らした2行目は結果として自分の仕事を漏洩先に手伝わせることになるので、自分の力加減(2番目のジェネレーターのサイズ)を調整する必要が出てくる。(本例ではマイナスにして漏らしているので逆に漏洩先からの協力が減って2行目ががんばることになる。3/1 をマッピングするときオクターブが1個、完全5度が1個だったものが、「オレ(2番目)1個につきオマエ(1番目)1個分をこっちでやっとくよ」となって2番目のジェネレーターがオクターブと完全5度のセット=完全12度となる。) | ||
等価なマッピングであることが表現できるように等号で書くと、 | 等価なマッピングであることが表現できるように等号で書くと、 | ||
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これにて、{{ket|{{val|1 2 4}} {{val|0 -1 -4}}}} を得る。 | これにて、{{ket|{{val|1 2 4}} {{val|0 -1 -4}}}} を得る。 | ||
=== ランク2を超えて === | |||
以上の2種類の操作でそのテンペラメントを正しく表せる任意のジェネレーター基底を得ることができる。そしてこれはランク2に限らず任意のランクのテンペラメントで機能する(ランク1には操作その2だけが使えて結果は自明だが)。 | |||
例として、7リミットマーベルの標準形は {{ket|{{val|1 0 0 -5}} {{val|0 1 0 2}} {{val|0 0 1 2}}}} であり、ジェネレーターは順にオクターブ、完全12度、完全17度(5/1)となる。ここから2番目のジェネレーターを完全5度にしたい、つまり<math>g_2</math> を <math>g_1</math> だけ減らしたいという場合、操作その1に従って <math>𝒎_1</math> に <math>𝒎_2</math> を足す。これで {{ket|{{val|1 1 0 -3}} {{val|0 1 0 2}} {{val|0 0 1 2}}}} が得られる。都合のいいことに、この操作に関係しなかった3番目のジェネレーターのサイズは影響を受けない。サイズが影響を受けるのは情報を漏らした2行目だけである。 | |||
このようにジェネレーターのサイズの影響は手順ごとに局限されるので、順序だててジェネレーターのサイズを変更してゆくことができ、豊富に様々な表現方法が得られるのである。(右図) | |||