モンゾ
モンゾ(英 : monzo)は純正音程の表記法であり、より単純な素数音程を単位として、「合成」音程を直接表現できるようにする方法。モンゾは基本的に [a b c d e f …⟩ の形で表記される。a b c … の列は、2, 3, 5, 7, 11, 13,… の素数リミットまでの素数が、音程の素因数分解にどのくらい寄与するかを表す。
モンゾはヴァル(英 : val)と対を成すものとして考えることができる。
より数学的な議論として、モンゾと音程空間を参照のこと。
歴史と用語
モンゾは2003年6月、Joseph Monzoに敬意を表してGene Ward Smithにより命名された。これらは以前、John ChalmersによってXenharmonikôn 1内でfactoradsとも呼ばれていたが、基本的な考え方は少なくともAdriaan Fokkerまで遡り、おそらくはさらに遡る。命名状況全体がスティグラーの法則の例として何度も見られる。より説明的だが長い用語には、素数計数ベクトル、素数指数ベクトル、純正律の文脈では、倍音空間座標などがある。
例
例えば、15/8 という音程は分子が [math]5 \times 3 [/math]、そして分母が [math]2 \times 2 \times 2[/math] と考えられる。これは簡潔に、[math]2^{-3} \times 3^1 \times 5^1[/math] と表現でき、それは正確に 15/8 と同じである。各素数の指数をとり、並べ、[…⟩という括弧の中に入れることでモンゾを構築する。すなわち、[-3 1 1⟩ というように書く。
- 実用上のヒント: 正しい括弧を使うのに、Template:Monzoが役立つ。
これらは一般的な5-リミットのモンゾである。
比率 | モンゾ |
---|---|
3/2 | [-1 1 0⟩ |
5/4 | [-2 0 1⟩ |
9/8 | [-3 2 0⟩ |
81/80 | [-4 4 -1⟩ |
これはいくつかの7-リミットのモンゾである。
比率 | モンゾ |
---|---|
7/4 | [-2 0 0 1⟩ |
7/6 | [-1 -1 0 1⟩ |
7/5 | [0 0 -1 1⟩ |
モンゾはヴァルの上で純正音程の「写像(maps)」を示すため、大切である。このマッピングはヴァルとモンゾの 2 つで表現される。例えば ⟨12 19 28 | -4 4 -1⟩ という風に書く。このマッピングは、同じ位置にあるヴァルとモンゾの値同士を掛け合わせ、そしてその結果を加えることで簡単に計算することができる。以下がその例。
⟨12 19 28|-4 4 -1⟩
12×(-4) + 19×4 + 28×1 = 0
これはすなわち、⟨12 19 28] のヴァルは12平均律のパテントヴァル(英 : patent val)であり、[-4 4 -1⟩ (2-4 × 34 × 5-1 = 81/80) は 81/80、またはシントニックコンマである。実際、⟨12 19 28|-4 4 -1⟩ は 81/80 が12平均律の 0 ステップにマッピングされることを示す(通称テンパーアウト。81/80 のコンマが周波数比 0 とみなされていることを示している)。そしてそれは 12平均律がミーントーン音律であることを示している。西洋音楽のほとんどはこのように示せるという事実は、注目に値する。とりわけ、12平均律または12音ウェルテンペラメントで作曲された西洋音楽は、上記の方程式の可能性がある。
In general: ⟨a b c|d e f⟩ = ad + be + cf