レギュラーテンペラメント

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This article gives an introduction to regular temperaments. For a formal mathematical discussion, see レギュラーテンペラメントとランクrテンペラメント.

レギュラーテンペラメントは抽象的なチューニングシステムである。それは基準周波数や主音(モード)について関知しない。言い換えると、いくらでもオクターブを変えていいしいくらでも音程を積み重ねることができる。レギュラーテンペラメントは一般的には無限個の音高を持ち、平均律以外なら実際のところ任意の2音間に無限個の音高を持っている。

無制限の変調に加えて、レギュラーテンペラメントは対象となる煩雑な純正律(JI)サブグループのより簡潔な近似となる。それぞれの抽象的な音程はテンパーされた、あるいはデチューンされた音程に変換される。テンペラメントがレギュラーテンペラメントであるというためには、この変換が完全に一貫した方法で行われる必要がある。例として、2つのテンパーされた音程を積み重ねたものは2つの純正音程を積み重ねた純正音程をテンパーしたものでなければいけない。複数の純正音程が同じテンパーされたインターバルにマップされる場合はあるが、同じ純正音程は(どの音高から生えていようと・その他文脈に左右されず)必ず同じテンパーされた音程にマップされなければならない。

特にシンプルな種類のレギュラーテンペラメントが平均律である。全ての音程が最小ステップの整数倍(1種類の音程の積み重ね)となる。また別の極端な例として、純正律そのものが、全くテンパーをしない自明なテンペラメントとして位置づけられる。どのコンマもテンパーアウトされず、そのままの微小なピッチ差として残る。両者の間に広がるテンペラメントの宝庫がPaul Erlichの独創的成果:A Middle Path Between Just Intonation and the Equal Temperaments にて述べられている。

History

RTT (regular temperament theory)の源流は数世紀前に遡る。実践が理論に先行し、特にミーントーン(中全音律)が15世紀から知られている。多数の先駆者が一般理論につながる土台を整えてきた。

この理論の初期の重要な発展は、Yahoo! Groupsを通じてオンラインで行われた。1990年代終わりごろにPaul Erlich, Graham Breed, Dave Keenan, Herman Miller, Paul Hahnによって土台が築かれた。

2001年にGene Ward SmithがYahoo! Groupsに参加すると直ぐに議論への貢献を始め、新しい用語と高等数学を導入した。彼とMike Battagliaらは本WikiでのRTTの文書化にも取り組んだ。

2009年にKite GiedraitisがRTTに対する独自のアプローチを始め、いくつかの注目すべきイノベーションを生み出した。

FAQ

レギュラーテンペラメントを使うと何がいいのですか?

レギュラーテンペラメントが使用されるのは、音楽家が可能な限り純正律のような響きを求めるとき、しかし通常は純正律と関係づけられている困難、たとえばウルフの音程や、コンマがあることや、コンマポンプによるピッチシフトを避けたいときである。また音楽家に独特の可能性を開拓するという興味をもたらすのである。独特の可能性とは、周波数比が純正律と異なるものを同等とみなすとき生じるものである。たとえば、ミーントーンにおいては 10/9 と 9/8 を同等とされる。テンペラメントを通じて異なる周波数比を同等とみなすことは、音楽的「語呂合わせ」の構築を可能にする。それは、テンパーされた音程の「意味」の多重性を利用するメロディーやコード進行である。あるいは単に音の響きで選ばれることもある。たとえば、ある人は中立3度の響きを好んでいて、それはどんな周波数比に調整されているかは問題ではないかもしれない。その人はコンマをポンプする予定がなくてもRastmicテンペラメントを使うかもしれない。

テンペラメントのページにいっぱい数値が書いてあるんですがどう読めばいいですか?

レギュラーテンペラメントの概念は数世紀の歴史があり現代数学に先行してきました。ですがYahoo! Groupsの参加者達によってテンペラメントの特性を記述する数学的記法が開発されました。中でも重要なのがヴァルマッピング)、モンゾテンパーアウトです。レギュラーテンペラメントに学ぶ者はまずこれらに慣れ親しむ必要があります。大丈夫です、数学的に高度なことは言っていないので、きちんと概念の区別がつくようになれば…

テンペラメントのランクとは次元数のことです(行列でいうところの階数です)。それは対象となる群(例えば純正律)の基底の元(純正律なら素数)の数から、テンパーアウトされる独立なコンマの数を引いたものです。

近年この分野に貢献があったのが、種々の数理最適化として捉えるという視点です。最適化はテンペラメントとJIとの差を最小化する最適なジェネレーターを見つけることです。最もよく使われる最適化がPOTE tuningTOP tuning、また最近ではCTEです。最適化はだいぶ数学的ですが、ここの読者が自力でやる場面はほとんどありません。本サイトで示されているテンペラメントの大部分はPOTEの結果も一緒に記述されています。また、それぞれのテンペラメントについて、最適な平均律のリスト(分割数の小さい順かつ誤差が改善されてゆく順)が示されています。最適なチューニングを求めたり知られていないテンペラメントを探したりするのに使えるWebアプリが、Graham BreedTemperament FindersintelTemperament Calculatorです。前者は既知のレギュラーテンペラメントであれば名前を特定することができ、後者はCTEに対応し、またより複雑なサブグループに対応しています。

目録

関連項目