31平均律

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素因数分解 31(素数)
音程 38.7097¢ 
完全五度 18\31 (696.774¢)
半音比 (A1:m2) 2:3 (77.42¢ : 116.1¢)
一貫限度 11
厳密一貫限度 7
特異性
フリー百科事典ウィキペディアに以下の記事があります:

31平均律 (31 Equal temperament)は、31-TET, 31-EDO, 31-ET とも略称され、オクターブを31段の等間隔なステップ(等しい周波数比)に分割することにより得られる音律である。各ステップは周波数比 [math]\displaystyle{ 2^{1/31} }[/math]、または 1200/31 ≈ 38.70967742 ¢ である。

歴史

14世紀初頭、ディエシス(オクターブと3重の長3度の比、128:125 あるいは 約41.059セント)がほぼ全音の1/5、あるいは半音の1/3である、とする研究がマルケット・ダ・パドヴァにより行われていた。

1555年、ニコラ・ヴィチェンティーノの『現代の実践に適応させた古代音楽』(L'antica musica ridotta alla moderna prattica)においてこの研究が再考され、彼により1オクターブ当たり36音に拡張された1/4コンマ中全音律のArchicembaloが造られた。

#の線をいくつも重ねている
ファビオ・コロンナの五分音記号

1618年、ファビオ・コロンナによって、ヴィチェンティーノのチェンバロの研究として、オクターブあたり31音にに拡張された1/4コンマ中全音律の sambuca という楽器を造り、自著(La Sambuca Lincea)において全音の1/5の音程に関する変位記号を提案した。

1666年にレメ・ロッシが自著(Sistema musico, ouero Musica speculativa doue SI spiegano i più celebri sistemi di tutti i tre generi)の中において最初にこの平均律を提案し、その後まもなく、独自にそれを発見した有名な科学者クリスティアーン・ホイヘンスがこれに関し記述した。

この時代の標準的な調律のシステムが、5度が [math]\displaystyle{ 5^{1/4} }[/math] の周波数比に調整される1/4コンマ中全音律であったが、31平均律はそれよりもわずかに約0.196セント広いだけの約696.774セントの音程を持つ。

ホイヘンスは、31平均律が7リミット和声の素晴らしい近似を提供することに注目した。このことは当時先進的な洞察であった。

20世紀に至り、物理学者であり音楽理論家・作曲家でもある Adriaan Fokker は、ホイヘンスの著述を読み、この調律システムに対する関心の復活を導いた。彼は1951年にオランダのハールレムにあるテイラー博物館に31平均律オルガンを設置した。現在オルガンはアムステルダムのアイ湾音楽堂に移設されている。

理論

31平均律の完全5度は純正な 3/2 より 5.2¢低い。したがって、Meantone にふさわしい。長3度については純正な 5/4 よりたった0.78¢高いだけであり、1/4コンマ中全音律よりわずかに高い程度である。31平均律の 7/4 の近似値についても1.08低い程度で、純正に極めて近い。したがって 5/4 と 7/4 がほぼ純正に近いことから、31平均律は 7-limit において比較的正確である。多くの7-limit 純正の音階は31平均律でよく近似される(当然ながら平均律化を施して)。

素数11は精度がやや低く、11/8 のような音程は約9セントずれる。しかし 11/9 や 11/6 のような音程は誤差が相殺されるため非常に良く近似される。この特性により31平均律は 11-limit の音階(特に 11-odd-limit )の旋律的近似として非常に効率的だが、 9/7 と 14/11 、 11/8 と 15/11 などを混同する。また、 15-odd-limit のほとんどの音程を一貫してマップするが、例外は13/9、13/11、およびそれらのオクターブ補完音程である。

31平均律が特に正確である他の点として、7、9、11の odd- limit においてペッパーの曖昧さ(英語版)における記録を象徴し、一貫性を保っていることが挙げられる。また厳密なゼータ平均律(英語版)でもあり、ゼータピーク、ゼータピーク整数、ゼータ積分、ゼータギャップ平均律を同時に満たす。

31平均律のの1単位音程(約38.7¢)は「ディエシス」(diesis)と呼ばれる。これは12平均律で緩和される複数の音程のことについて言う。(特に 128/125 と 648/625 )。ディエシスは31edoを特徴づける音であり、音階に直接現れない場合でも、類似した大きさの2つ以上の音程差として頻繁に現れる。

素数倍音

31EDOにおける素数倍音の近似
倍音 2 3 5 7 11 13 17 19 23 29 31
誤差 絶対 (¢) +0.0 -5.2 +0.8 -1.1 -9.4 +11.1 +11.2 +12.2 -8.9 +15.6 +16.3
相対 (%) +0.0 -13.4 +2.0 -2.8 -24.2 +28.6 +28.9 +31.4 -23.0 +40.3 +42.0
ステップ
(reduced)
31
(0)
49
(18)
72
(10)
87
(25)
107
(14)
115
(22)
127
(3)
132
(8)
140
(16)
151
(27)
154
(30)

他のテンペラメントとしての音律

31平均律は、Meantone 以外にも、mohajiramothra 、そして最適とは言えないMiraclevalentine のテンペラメントにも使用できる。これらの音律は、31平均律の5度音程(18ディエシス)を2、3、6、9等分する。mohajira とその代替(migration)は31平均律において統合され、一つのステムの中で、ほぼ最適な11-limit-meantoneの構造を形成する。実際、31平均律は、81/ 80、99/ 98、121/120、126 / 125を緩和する唯一の音律として定義できます。

31平均律は、完全12度音程を7等分し、7/6に近似する音程を得るという、orwellサポート(英語版)している。また、31平均律がサポートする注目すべき音律として、3度音程を5つの異なる音程(縮3度、短3度、中立3度、長3度、拡3度、すなわちそれぞれ 7/6 、6/5 、 11/9~16/13 、 5 /4 、 9/7 )に分割するmynaもサポートしている。

サブセットとスーパーセット

31平均律は11番目の素数平均律であり、29平均律の次、37平均律の前に位置する。31平均律には非自明な部分集合のオクターブ等分音律は含まれないが、31ed4が含まれる。31平均律の2倍である62平均律は、音律を13、17、19-limit で拡張する別の方法を提供する。

純正音程近似

純正音程のマッピング

以下の表は、31平均律で15奇数リミット音程がどのように表されるかを示している。素数倍音は太字で、非一貫的な音程は斜体で示す。

31平均律内の15奇数リミット音程(直接近似, 一貫性の無いものも含む)
音程と補音程 誤差 (絶対, ¢) 誤差 (相対, %)
1/1, 2/1 0.000 0.0
5/4, 8/5 0.783 2.0
11/9, 18/11 0.979 2.5
7/4, 8/7 1.084 2.8
7/5, 10/7 1.867 4.8
15/14, 28/15 3.314 8.6
7/6, 12/7 4.097 10.6
11/6, 12/11 4.202 10.9
15/8, 16/15 4.398 11.4
15/11, 22/15 4.985 12.9
3/2, 4/3 5.181 13.4
5/3, 6/5 5.964 15.4
11/7, 14/11 8.298 21.4
9/7, 14/9 9.278 24.0
11/8, 16/11 9.382 24.2
11/10, 20/11 10.166 26.3
13/10, 20/13 10.302 26.6
9/8, 16/9 10.362 26.8
13/8, 16/13 11.085 28.6
9/5, 10/9 11.145 28.8
13/7, 14/13 12.169 31.4
15/13, 26/15 15.483 40.0
13/12, 24/13 16.266 42.0
13/9, 18/13 17.263 44.6
13/11, 22/13 18.242 47.1
31平均律内の15奇数リミット音程(パテントヴァルによるマッピング)
音程と補音程 誤差 (絶対, ¢) 誤差 (相対, %)
1/1, 2/1 0.000 0.0
5/4, 8/5 0.783 2.0
11/9, 18/11 0.979 2.5
7/4, 8/7 1.084 2.8
7/5, 10/7 1.867 4.8
15/14, 28/15 3.314 8.6
7/6, 12/7 4.097 10.6
11/6, 12/11 4.202 10.9
15/8, 16/15 4.398 11.4
15/11, 22/15 4.985 12.9
3/2, 4/3 5.181 13.4
5/3, 6/5 5.964 15.4
11/7, 14/11 8.298 21.4
9/7, 14/9 9.278 24.0
11/8, 16/11 9.382 24.2
11/10, 20/11 10.166 26.3
13/10, 20/13 10.302 26.6
9/8, 16/9 10.362 26.8
13/8, 16/13 11.085 28.6
9/5, 10/9 11.145 28.8
13/7, 14/13 12.169 31.4
15/13, 26/15 15.483 40.0
13/12, 24/13 16.266 42.0
13/11, 22/13 20.468 52.9
13/9, 18/13 21.447 55.4

31平均律の音程と近似値

主な純正音程との対応は以下のようになる。

段数 cent DMS 音程名 純正比 純正
(cent)
error
(cent)
0 0.000 0.000 同度,ユニゾン 1/1 0.000 0.000
1 38.710 11.613 長1度,ディエシス,

減2度

49/48
45/44
35.697
38.906
+3.013
−0.196
2 77.419 23.226 半音階的半音,

増1度, 縮2度

25/24
22/21
21/20
70.672
80.537
84.467
+6.747
−3.118
−7.048
3 116.129 34.839 全音階的半音,

短2度

16/15
15/14
111.731
119.443
+4.398
−3.314
4 154.839 46.452 中立2度 12/11 150.637 +4.202
5 193.548 58.065 全音,長2度 10/9
9/8
182.404
203.910
+11.145
−10.362
6 232.258 69.677 拡2度,減3度 8/7 231.174 +1.084
7 270.968 81.290 縮3度,増2度 7/6 266.871 +4.097
8 309.677 92.903 短3度 6/5 315.641 −5.964
9 348.387 104.516 中立3度 11/9 347.408 +0.979
10 387.097 116.129 長3度 5/4 386.314 +0.783
11 425.806 127.742 拡3度,減4度 14/11
9/7
417.508
435.084
+8.298
−9.278
12 464.516 139.355 短4度,増3度 13/10
21/16
454.214
470.781
+10.302
−6.265
13 503.226 150.968 完全4度 4/3 498.045 +5.181
14 541.935 162.581 長4度 15/11
11/8
536.951
551.318
+4.985
−9.382
15 580.645 174.194 増4度 7/5 582.512 −1.867
16 619.355 185.806 減5度 10/7 617.488 +1.867
17 658.065 197.419 短5度 16/11
22/15
648.682
663.049
+9.382
−4.985
18 696.774 209.032 完全5度 3/2 701.955 −5.181
19 735.484 220.645 長5度,減6度 32/21
20/13
729.219
745.786
+6.265
−10.302
20 774.194 232.258 増5度,縮6度 14/9
11/7
764.916
782.492
+9.278
−8.298
21 812.903 243.871 短6度 8/5 813.686 −0.783
22 851.613 255.484 中立6度 18/11 852.592 −0.979
23 890.323 267.097 長6度 5/3 884.359 +5.964
24 929.032 278.710 拡6度,減7度 12/7 933.129 −4.097
25 967.742 290.323 縮7度,増6度 7/4 968.826 −1.084
26 1006.452 301.935 短7度 16/9
9/5
996.090
1017.596
+10.362
−11.145
27 1045.161 313.548 中立7度 11/6 1049.363 −4.202
28 1083.871 325.161 長7度 15/8 1088.269 −4.398
29 1122.581 336.774 減8度,拡7度 21/11 1119.463 +3.118
30 1161.290 348.387 短8度,増7度
31 1200.000 360.000 オクターヴ 2/1 1200.000 0.000

他のテンペラメントの近似として

31平均律の最も際立った特徴は、ほとんど純正な長3度と、完全4度、そして短3度をもつことであり、その誤差は6セントより狭い。ミーントーンテンペラメントとしてもよいチューニングである。31平均律はまた、Miracleテンペラメントとしても適している。

拡大されたハーモニーとして

31平均律はより一層12平均律より協和するハーモニーを提供する。

音程とリニアーテンペラメント

31は素数であるため、31平均律が受けもつすべてのランク2テンペラメントは1オクターブ1ピリオドである。それゆえ、それぞれの線形テンペラメントはジェネレーター (generator)として特定の音程に対応付けられる。

31平均律で緩和されるコンマ

31平均律を 31 49 72 87 107 115 127 132] ヴァルとみなした時、以下のコンマを緩和する。

Comma Value (Cents) Name
81/80 21.506 シントニックコンマ
(syntonic comma)
393216/390625 11.445 ヴィルシュミット・コンマ
(Würschmidt comma)
1990656/1953125 32.952 ヴァレンタイン・コンマ
(valentine comma)
2109375/2097152 10.061 セミコンマ
(semicomma)
126/125 13.795 Starling comma
225/224 7.7115 Marvel comma
1029/1024 8.4327 gamelisma
1728/1715 13.074 orwellisma
2401/2400 0.7212 breedsma
99/98 17.576 mothwellsma
121/120 14.367 biyatisma
176/175 9.8646 valinorsma
243/242 7.1391 rastma
385/384 4.5026 keenanisma
441/440 3.9302 werckisma
540/539 3.2090 swetisma
66/65 26.432 winmeanma
105/104 16.567 animist
144/143 12.064 grossma
196/195 8.8554 mynucuma
275/273 12.637 gassorma
351/350 4.9393 ratwolfsma

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