「音律」の版間の差分
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# 楽器の音高の関係を決める論理。tuning system。本wikiでは、直訳の'''調律システム'''と呼ぶ場合がある。 | # 楽器の音高の関係を決める論理。tuning system。本wikiでは、直訳の'''調律システム'''と呼ぶ場合がある。 | ||
# temperamentの訳語として。1. | # temperamentの訳語として。1.の音律の中でも「純正律を近似している」という前提があるもの。 | ||
== 概要 == | == 概要 == | ||
'''音律'''(英: tuning system, interval | '''音律'''(英: tuning system, interval system)とは、作曲家にとって理論的に利用可能な音高と音程の集合を提供する、規則やアルゴリズムの集合である。理論的というのは、それが人間の可聴範囲や楽器の制約といったものから独立して定義されるものだということである。しかしそれは楽器が「調律された」状態での基本周波数が何であるか(又そもそもその楽器において調律された状態というのがどういう音を想定しているのか)という判断を含みうる。 | ||
西洋のたいていの音楽家は[[12平均律]]のみに親しんでいる。これは[[オクターブ]]を12等分する。しかしながら、調律システムは無限に存在し、それぞれが異なる音楽的可能性と個性を有する。{{en仮リンク|ゼンハーモニック音楽|Xenharmony}}は12平均律と異なるすべての種類の調律システムを扱う。 | 西洋のたいていの音楽家は[[12平均律]]のみに親しんでいる。これは[[オクターブ]]を12等分する。しかしながら、調律システムは無限に存在し、それぞれが異なる音楽的可能性と個性を有する。{{en仮リンク|ゼンハーモニック音楽|Xenharmony}}は12平均律と異なるすべての種類の調律システムを扱う。 | ||
どんな調律システムが有用であるか、またそれらをどう作り出すべきかについては様々な流儀がある。それぞれの視点から異なる作成方法が生み出された。一般的なシステムが[[純正律]]、[[レギュラーテンペラメント]]、{{en仮リンク|ウェル・テンペラメント|circulating temperament}}、[[平均律]]である。その他の調律が歴史的にまた世界中の様々な文化によって使われている。いくつかの例を挙げると{{w|ペロッグ}}、{{w|スレンドロ}}、{{w|en:Shruti}}、{{w|マカーム}}、幅広く変種があった[[ミーントーン]]である。 | どんな調律システムが有用であるか、またそれらをどう作り出すべきかについては様々な流儀がある。それぞれの視点から異なる作成方法が生み出された。一般的なシステムが[[純正律]]、[[レギュラーテンペラメント]]、{{en仮リンク|ウェル・テンペラメント|circulating temperament}}、[[平均律]]である。その他の調律が歴史的にまた世界中の様々な文化によって使われている。いくつかの例を挙げると{{w|ペロッグ}}、{{w|スレンドロ}}、{{w|en:Shruti}}、{{w|マカーム}}、幅広く変種があった[[ミーントーン]]である。 | ||
存在しうる音に対して、それらをどう表記するか、それぞれの位置づけ(意味づけ・関係性・機能)を含めたのが''音組織'' (独: tonsystem) である。各文化の音律の項目では一般に音組織の説明も含む。音組織はtemperamentの根拠になることもあればならないこともある。ある文化でデチューンされた完全5度が多用されているとして、もし当人たちに「妥協」や「平均」の意識がないならtemperamentや不等分平均律といった呼び方は不適当であろう。 | |||
== Open and closed systems == | == Open and closed systems == | ||
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2025年5月21日 (水) 14:43時点における最新版
音律には以下の用法がある:
- 楽器の音高の関係を決める論理。tuning system。本wikiでは、直訳の調律システムと呼ぶ場合がある。
- temperamentの訳語として。1.の音律の中でも「純正律を近似している」という前提があるもの。
概要
音律(英: tuning system, interval system)とは、作曲家にとって理論的に利用可能な音高と音程の集合を提供する、規則やアルゴリズムの集合である。理論的というのは、それが人間の可聴範囲や楽器の制約といったものから独立して定義されるものだということである。しかしそれは楽器が「調律された」状態での基本周波数が何であるか(又そもそもその楽器において調律された状態というのがどういう音を想定しているのか)という判断を含みうる。
西洋のたいていの音楽家は12平均律のみに親しんでいる。これはオクターブを12等分する。しかしながら、調律システムは無限に存在し、それぞれが異なる音楽的可能性と個性を有する。ゼンハーモニック音楽 (en) は12平均律と異なるすべての種類の調律システムを扱う。
どんな調律システムが有用であるか、またそれらをどう作り出すべきかについては様々な流儀がある。それぞれの視点から異なる作成方法が生み出された。一般的なシステムが純正律、レギュラーテンペラメント、ウェル・テンペラメント、平均律である。その他の調律が歴史的にまた世界中の様々な文化によって使われている。いくつかの例を挙げるとペロッグ、スレンドロ、en:Shruti、マカーム、幅広く変種があったミーントーンである。
存在しうる音に対して、それらをどう表記するか、それぞれの位置づけ(意味づけ・関係性・機能)を含めたのが音組織 (独: tonsystem) である。各文化の音律の項目では一般に音組織の説明も含む。音組織はtemperamentの根拠になることもあればならないこともある。ある文化でデチューンされた完全5度が多用されているとして、もし当人たちに「妥協」や「平均」の意識がないならtemperamentや不等分平均律といった呼び方は不適当であろう。
Open and closed systems
Gene Ward Smith (en) は調律システムの最も基本的な区別としてopen systemとclosed systemを考えた。closed systemは可能な音程の種類が有限個であり、open systemはそれが無限個である。closed systemの例が、en:MIDI tuning standardで指定可能な音高が 2097151 種類に制限されていることである。open systemの例が12平均律で、これは音高の範囲を制限していない。実用上はMTSのほうが12平均律よりいろいろな音程が表現でき、12平均律はその中の有限の範囲しか使われない。しかし理論上は、12平均律は無限の音程を持っていて可聴範囲外だろうとその周波数を計算したりすることを妨げない。
他の種類のopen systemとして、周波数範囲を制限してもその中に無限の音高を含むものがある。これは音程を繰り返し作っていく規則がその繰り返し数を制約せず、作られる音程が決して作成済みの音程と一致しない場合に生じる。この例が3リミット純正律である。第2倍音と第3倍音の組み合わせが、2と3が互いに素であることにより無限に音程を生成する。他の例がアーブ・ウィルソンのgolden horagramである。
open systemの中で最も重要な種類がperiodic scale (en) とgroup systemである。groupとはアーベル群のことで、マイナスの音程(音程の引き算)と音程の足し算が常に可能であることを意味している。group systemの例は乗法の下での正の実数(ヘルツで書かれた周波数)、加法の下での実数(セントで書かれた周波数比)、乗法の下での正の有理数、与えられたリミットに含まれる有理数、純正律サブグループに含まれる音程、特定のレギュラーテンペラメントに含まれる音程など。
