平均律

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平均律 (英: equal-step tuning, equal tuning, equal division, ED) は、1種類の音程サイズの繰り返しからなる周期的な調律システムである。この1ステップのサイズは明示的に与えられたり(e.g. 88cET (en) )、より大きな音程の等分割として与えられたりする(e.g. オクターブ13平均律)。元になる音程は純正(有理数)音程でも無理数音程でもよいが、通例はオクターブを分割したオクターブ平均律となる。純正音程を等分割した場合、新たに生じる音程は約せる場合(8/1 の3等分は立方根なので 2/1 になる等)を除いてすべて無理数音程となる。

テンペラメントとしての平均律と、純粋に音程の集合、調律システムとしての平均律を簡単に呼び分ける日本語の用語はまだない。テンペラメントとしての平均律というのは、平均律という音階を純正律の近似として説明するものであり、つまり平均律の各音程はそれぞれ何らかの純正音程を代理しているということを作曲家に対して提案するものである。調律の実務に対しては、この提案からオクターブの響きを優先した調律や完全5度の響きを優先した調律など、ステップサイズがわずかに異なる複数の調律システムが派生しうる。逆に全く同じ調律でも、純正律として異なる解釈をするならばそれは異なるテンペラメントであり、その平均律の意外な側面を明らかにするかもしれない。オクターブを等分割するテンペラメントは、英語で n-tone equal temperament (n-tet, n-et)と書かれる。

純正律に基づかずに平均律を扱うこともよくある。この場合の理論面で身軽な用語として、「オクターブの均等な分割」を意味する edo (または ed2) という用語が使われる。この場合は言及されたオクターブ(純正)のみが純正律に関係している。より一般的には、p を分割のもととなる音程として、ed-p という用語が使われる。例えば、ボーレン・ピアース (en) の 3/1 を13分割する平均律は13ed3または13edtと書かれる。

ステップが等しくなるように調律されているため、作曲家はスケールのどこでも好きなところにアプローチできる。 通常は簡約化されるものではあるが、均等な分割のスケールは無限に別名を持っている。さらにモード音楽と調性音楽の議論において避けられる様々な名前を除外しても、作曲活動から利用可能なモードとキーはまだとても幅広く存在する。

歴史的には、純正律を実用的に修正した音律を「平均律」といった[1]。これには中全音律やウェル・テンペラメントを含む。つまり、純正律からの矛盾した要求に音程を平均化するという方法で対処したもの(≒temperament)をすべて「平均律」と呼んでいたのである。

n-ed-p の単ステップの大きさをセント値で得たい場合、p のセント値を n で割ればよい。n-ed-pk ステップの大きさ s (cent) は

[math]\displaystyle s = 1200 \log_2 (p) \cdot k/n[/math]

となる。n-ed-p の単ステップの大きさを周波数比率で得たい場合、pn 乗根を求めればよい。例えば、12edoの単ステップは 21/12 (≈ 1.059) である。なので、n-ed-pk ステップの周波数比 c

[math]\displaystyle c = p^{k/n}[/math]

となる。特に、k が0の場合、c は1となり、k = n の場合、c = p となる。

同時に異なるものの等分割であること

12ed2、19ed3、28ed5にある共通点とは? これらは近似的に同じスケールである。これは12ed2が 3/1 と 5/1 をそれぞれ比較的よく近似する音程を持っていることによる。対照的に、11ed2にはそういう似ているed3やed5は存在しない。

下の図は 2/1、3/1、5/1、7/1のequal divisionとそれらが似ているいくつかの組み合わせを示している。他の注意点として、2/1 のequal divisionは自動的に 4/1 や 8/1 のequal divisionでもある。また、2/1 と 3/1 の両方をよく近似するequal divisionがあったら、それはまた 6/1 をよく近似するequal divisionでもある。

equal.png

(ベクター形式: equal.svg)

数学的な話を続けると、この種の図はリーマンゼータ関数に関連している。

目録

Equal division

Equal multiplication

脚注

  1. 改訂新版 世界大百科事典『平均律』 - コトバンク

関連項目

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