「マップされた音程」の版間の差分

提供: Xenharmonic Wiki
ナビゲーションに移動 検索に移動
編集の要約なし
編集の要約なし
3行目: 3行目:
マップ前の音程として純正音程の 10/9 を例とする。この[[モンゾ]](素数計数ベクトル)は <math>\textbf{i} =</math> {{ket| 1 -2 1}} となる。これを[[ミーントーン]] [{{bra|1 1 0}}, {{bra|0 1 4}}] でマップする(~10/9 と書く; 後述)と、''テンパードモンゾ''(ジェネレーター計数ベクトル)になり <math>\textbf{y} =</math> [{{bra|1 1 0}}, {{bra|0 1 4}}]{{ket|1 -2 1}} = {{ket|-1 2}} となる。
マップ前の音程として純正音程の 10/9 を例とする。この[[モンゾ]](素数計数ベクトル)は <math>\textbf{i} =</math> {{ket| 1 -2 1}} となる。これを[[ミーントーン]] [{{bra|1 1 0}}, {{bra|0 1 4}}] でマップする(~10/9 と書く; 後述)と、''テンパードモンゾ''(ジェネレーター計数ベクトル)になり <math>\textbf{y} =</math> [{{bra|1 1 0}}, {{bra|0 1 4}}]{{ket|1 -2 1}} = {{ket|-1 2}} となる。


なお <math>\textbf{i}</math> はintervalのi、<math>\textbf{y}</math> はiの類似品などの意図を込めてある。
なお <math>\textbf{i}</math> はintervalのi、<math>\textbf{y}</math> はiの類似品などの意図を込めている。


次に 9/8 を例とすると、このモンゾは {{ket| -3 2 0}} となる。これを[[ミーントーン]]でマップする(~9/8 と書く)と、テンパードモンゾになり <math>\textbf{y} =</math> [{{bra|1 1 0}}, {{bra|0 1 4}}]{{ket|-3 2 0}} = {{ket|-1 2}} となる。先ほどの ~10/9 のテンパードモンゾと一致した。これはミーントーンにおいて 10/9 と 9/8 がtempered togetherされるからである。
次に 9/8 を例とすると、このモンゾは {{ket| -3 2 0}} となる。これを[[ミーントーン]]でマップする(~9/8 と書く)と、テンパードモンゾになり [{{bra|1 1 0}}, {{bra|0 1 4}}]{{ket|-3 2 0}} = {{ket|-1 2}} となる。先ほどの ~10/9 のテンパードモンゾと一致した。これはミーントーンにおいて 10/9 と 9/8 がtempered togetherされるからである。


純正音程にチルダを前置して<span style="background-color: yellow">~</span>10/9、などと書くとその音程を問題のテンペラメントでマップした音程を表す。(どのテンペラメントなのかは文脈で明らかでなければならない。)また、tempered togetherされて同じ音程にマップされることを 10/9~9/8 のように書く。その[[セント]]値を示すなどの時は ~10/9 ≈ xx{{C}} や組み合わせて ~10/9~9/8 ≈ xx{{C}} と書く。
純正音程にチルダを前置して <span style="background-color: yellow">~</span>10/9 のように書くとその音程を問題のテンペラメントでマップした音程を表す。どのテンペラメントなのかは文脈で明らかでなければならない。また、tempered togetherされて同じ音程にマップされることを 10/9~9/8 のように書く。その[[セント]]値を示すなどの時は ~10/9 ≈ xx{{C}} や組み合わせて ~10/9~9/8 ≈ xx{{C}} と書く。


基本的に(エッジケースを除いて)、複数のというか無限の純正音程が1つのマップされた音程にマップされる。1つのマップされた音程は純正音程を特定できない。等価~~
基本的に(エッジケースを除いて)、複数のというか無限の純正音程が1つのマップされた音程にマップされる。1つのマップされた音程は純正音程を特定できない。等価~~
== テンパードモンゾ ==
'''テンパードモンゾ'''(tempered monzo, tmonzo)、あるいはジェネレーター計数ベクトルとは、テンペラメントのジェネレーター基底をいくつずつ使うかを示すことでテンパーされた音程を表すベクトルである。その次元はテンペラメントのランクと一致する。これを表記するにはテンペラメントが明らかになっているだけでは不十分で、テンペラメントのジェネレーター基底を明示しなければならない。上の例の {{ket|-1 2}} はジェネレーターがオクターブと完全5度、つまり ~2 と ~3/2 である。この基底を明示して ~2.~3/2 {{ket|-1 2}} や P8.P5 {{ket|-1 2}} と書く。ジェネレーター基底がオクターブと完全12度なら同じ音程が ~2.~3 {{ket|-3 2}} や P8.P12 {{ket|-3 2}} と書かれることになる。これらの間の変換は[[ジェネレーター読み替え操作]]を参照のこと。


== 用語 ==
== 用語 ==
対応関係の詳細に触れずにマッピングの出力全体(値域)を指すには「テンペラメントの音程」でよい。マッピングの入力全体(定義域)は純正律サブグループ等と書く。<small>(写像元(もと)から写像先へと書きたくなるところだが、群の各要素を元(げん)と書くので避けている。)</small>
対応関係の詳細に触れずにマッピングの出力全体(値域)を指すには「テンペラメントの音程」でよい。マッピングの入力全体(定義域)は純正律サブグループ等と書く。<small>(写像元(もと)から写像先へなどと書きたくなるところだが、群の各要素を元(げん)と書くので避けている。)</small>


「マップされた音程」は「テンパーされた音程」とも呼べるが、「テンパーされた音程」では曖昧な面がある。~~
「マップされた音程」は「テンパーされた音程」とも呼べるが、「テンパーされた音程」では曖昧な面がある。「テンパーされた音程」では最終的なチューニングでの音程がサイズ的な意味で元の純正音程からどれだけ変化したかの話かもしれない。「マップされた音程」ならマッピング行列の話だと明確になる。

2025年8月29日 (金) 14:02時点における版

マップされた音程とはマッピング行列により写像された音程のこと。

マップ前の音程として純正音程の 10/9 を例とする。このモンゾ(素数計数ベクトル)は [math]\displaystyle{ \textbf{i} = }[/math] [1 -2 1 となる。これをミーントーン [1 1 0], 0 1 4]] でマップする(~10/9 と書く; 後述)と、テンパードモンゾ(ジェネレーター計数ベクトル)になり [math]\displaystyle{ \textbf{y} = }[/math] [1 1 0], 0 1 4]][1 -2 1 = [-1 2 となる。

なお [math]\displaystyle{ \textbf{i} }[/math] はintervalのi、[math]\displaystyle{ \textbf{y} }[/math] はiの類似品などの意図を込めている。

次に 9/8 を例とすると、このモンゾは [-3 2 0 となる。これをミーントーンでマップする(~9/8 と書く)と、テンパードモンゾになり [1 1 0], 0 1 4]][-3 2 0 = [-1 2 となる。先ほどの ~10/9 のテンパードモンゾと一致した。これはミーントーンにおいて 10/9 と 9/8 がtempered togetherされるからである。

純正音程にチルダを前置して ~10/9 のように書くとその音程を問題のテンペラメントでマップした音程を表す。どのテンペラメントなのかは文脈で明らかでなければならない。また、tempered togetherされて同じ音程にマップされることを 10/9~9/8 のように書く。そのセント値を示すなどの時は ~10/9 ≈ xx ¢ や組み合わせて ~10/9~9/8 ≈ xx ¢ と書く。

基本的に(エッジケースを除いて)、複数のというか無限の純正音程が1つのマップされた音程にマップされる。1つのマップされた音程は純正音程を特定できない。等価~~

テンパードモンゾ

テンパードモンゾ(tempered monzo, tmonzo)、あるいはジェネレーター計数ベクトルとは、テンペラメントのジェネレーター基底をいくつずつ使うかを示すことでテンパーされた音程を表すベクトルである。その次元はテンペラメントのランクと一致する。これを表記するにはテンペラメントが明らかになっているだけでは不十分で、テンペラメントのジェネレーター基底を明示しなければならない。上の例の [-1 2 はジェネレーターがオクターブと完全5度、つまり ~2 と ~3/2 である。この基底を明示して ~2.~3/2 [-1 2 や P8.P5 [-1 2 と書く。ジェネレーター基底がオクターブと完全12度なら同じ音程が ~2.~3 [-3 2 や P8.P12 [-3 2 と書かれることになる。これらの間の変換はジェネレーター読み替え操作を参照のこと。

用語

対応関係の詳細に触れずにマッピングの出力全体(値域)を指すには「テンペラメントの音程」でよい。マッピングの入力全体(定義域)は純正律サブグループ等と書く。(写像元(もと)から写像先へなどと書きたくなるところだが、群の各要素を元(げん)と書くので避けている。)

「マップされた音程」は「テンパーされた音程」とも呼べるが、「テンパーされた音程」では曖昧な面がある。「テンパーされた音程」では最終的なチューニングでの音程がサイズ的な意味で元の純正音程からどれだけ変化したかの話かもしれない。「マップされた音程」ならマッピング行列の話だと明確になる。