ジェネレーターとピリオド
ジェネレーターのイントロダクション
「ジェネレーター」(generator)または「ジェネレートインターバル」(generating interval)は、音階やEDO、テンペラメントの構造を作る、繰り返し積み重ねられた音程のことである。その結果により積み重ねられたチェーンは、しばしば「ジェネレーターチェーン」(generator chain)と呼ばれる。最初のアブストラクトとして、ジェネレーターチェーンが極めて単純に理解された。しかしこの考え方は、レギュラーテンペラメントの理論を直感的に理解するために重要である。
Equal Temperaments
ジェネレーターチェーンの最も簡潔で直感的な例は、12平均律類のような平均律である。ETにおいて、オクターブをさらに分割していてもいなくても、それが3オクターブでも他のものでも、それはシングルジェネレーターチェーンそのものなのである。たとえば、12平均律は100セントがそれぞれに際限なく積み重ねられている。同様に、5平均律は240セント音程のジェネレーターチェーンを作ることによって生成されている。このことは完全なテンペラメントを作成することを意味する。ボーレン・ピアス音階と呼ばれる周波数3を均等に13分割する(13EDT)ノンオクターブETはまた、シングルジェネレートインターバル(約146セント)で形作られる。146*13=1898セントであり、1900セントに非常に近い。周波数比3は1200(オクターブ)+700(完全5度)からわかるように、1900セントである。
ETの各ピッチは、ETが生成する音程が複合された生成物として代表される。それゆえジェネレーターは「素数音程」(prime interval)としてテンペラメントに従事する。その他の全ての音程は「複合物」(composite)である。この事実はEDOのオクターブやEDTのトリターブをどう分割するか、ETをさらに細かくする手掛かりとなる音程だ。
他のものは、一般的に考慮されない‟ET”の、シングルジェネレーターチェーンで形作られる。一つの例として、ピタゴラスの5度に正確に合わせられたチェーンのジェネレートインターバルは正確に3/2(702セント)でチューニングされており、(...) = -702 = 0 = 702 = 1404 = 2106 = 2808 = 3510 (...)のように表される。ダイアトニックノーテーションを使うとき、これは(...) = F = C = G = D = A = E = B = (...)というように表される。しかし各音のイントネーションは、12tetテンパーバージョンからわずかに異なることを書きとどめられておくべきである。
上記の例で示したように、7つの連続した音は、ダイアトニックスケール類のピッチを生み出すこのチェーンからはずれる。しかしながら、もしピタゴラスの5度のチェーンを積み重ねるなら、これらのピッチは5度の積み重ねから散開する。LLsLLsダイアトニックスケールパターン類を形作り、それはオクターブを切り詰める。もしこのチェーンの切り詰められた音がほしいならば、1200セントから離れる必要がある。1200セントはピタゴラスの5度圏に存在せず、新しい「素数音程」として圏を作る必要がある。そしてオクターブのセカンドジェネレーターチェーンを作る。
ピリオドのイントロダクション
上記の例のような場合、2番目の素数音程として周波数比2に加えることは、ピタゴラスの5度圏をピタゴラスのダイアトニックスケールに変換し、自由な音程を加えることを意味する。この操作はとても些細なことで、単純に7つの連続したチェーンから外れた5度を選び、オクターブへ向かう各音を減少させる。この場合、0 = 204 = 408 = 498 = 702 = 906 = 1110セントを得ることになり、ダイアトニックノーテーションで書くときはC-D-E-F-G-A-Bと書き表される。
もし望むなら、新しいオクターブジェネレーターチェーンに沿ってこのパターンの結果を得て、新しいオクターブが現れるたびにコピーアンドペーストして、無限に並べることができる。もしそうするなら、無限に表れる周期的な音階(...) - C0 - D0 - E0 - F0 - G0 - A0 - B0 - C1 - D1 - E1 - F1 - G1 - A1 - B1 - C2 - (...)を得る。このケースでは、繰り返される音階のジェネレーターは「ピリオド」(period)という特別な名前で呼ばれる。
上記の例では、ピタゴラスのダイアトニックスケールは3/2と2/1の2つの異なった音程で生成されおり、2/1がピリオドである。
フラクタルオクターブピリオド
オクターブではないピリオドスケールを構築する可能性がある。最も一般的な音階はオクターブを分割するピリオドの音階であるが、しばしば12音チューニング音楽理論の中で「シンメトリックスケール」(symmetric scales)と呼ばれる。
フラクタルオクターブピリオドをもつ一般的な音階の例として、12音チューニングのC Db D# E F# G A Bb Cをもつ、ディミニッシュド、またはオクタトニック音階である。12音チは0 - 100 - 300 - 400 - 600 - 700 - 900 - 1000 – 1200セントと考えられるけども。この音階を構築するために、また100セントのジェネレーターチェーンとみなすために、2音をやめ、次のミニチェーンを生み出す。
0 = 100 (or C - C#)
もしオクターブにこの音階を並べるならば、次の奇妙な2音ピリオドスケールにたどり着く。
(...) = -1200 = -1100 = 0 = 100 = 1200 = 1300 = 2400 = 2500 = (...) (or ...-C0-Db0-C1-Db1-C2-Db2-...)
しかしながら、1/4オクターブに音階を並べる代わりに300セントをピリオドとするならば、次のスケールにたどり着く。
(...) = 0 = 100 = 300 = 400 = 600 = 700 = 900 = 1000 = 1200 = (...)
上記の例において、300セントは100セント自身から生成される。この意味は、正確に言うなら、2番目の「素数」ジェネレーターインターバルではない。単純さのための100セントジェネレーターの選択は、この音階のためのすべてのチューニングにおいて適用されるわけではない。たとえば、もし100セントのかわりに91セントのジェネレーターを使うとき、300セントのピリオドはもはや3つの積み重ねられたジェネレーターでは構成されない。