「ヴァル」の版間の差分
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'''warts'''とも呼ばれる記法。[[Herman Miller]]と[[Graham Breed]]によって開発された。 | '''warts'''とも呼ばれる記法。[[Herman Miller]]と[[Graham Breed]]によって開発された。 | ||
この記法ではリミットについて別途記述が必要である。指定されたリミットにおいて、[[ | この記法ではリミットについて別途記述が必要である。指定されたリミットにおいて、[[パテントヴァル]]は単純に先頭の数値(2/1 は何ステップか)で表される。例えば、17平均律の5リミットでのパテントヴァルである {{val| 17 27 39 }} は、17 と書ける。 | ||
任意のEDOのパテントヴァルは(EDOのOが純オクターブだとして)それぞれの素数音程が最も正確にマッピングされるステップ数を並べたものである。しかしながら、それ以外のステップ数を使いたい場合がよくある。例えば、5リミットのヴァル {{val| 17 27 40 }} は 5/4 を 353 セントではなく 424 セントにマップする。これは17平均律のパテントヴァルではないが、6/5 などほかの音程のマッピングが改善し全体のエラーが小さくなるため好まれる。非パテントヴァルは''wart''を末尾に付加することで特定される。wartはパテントヴァルからの偏りを示す。この場合では、5/1 を 2 番目に正確なステップ数にマッピングすることを指定したい。5 は 3 番目の素数なので、3 番目のアルファベットをオクターブ分割数の後ろに書いて、17c となる。 | 任意のEDOのパテントヴァルは(EDOのOが純オクターブだとして)それぞれの素数音程が最も正確にマッピングされるステップ数を並べたものである。しかしながら、それ以外のステップ数を使いたい場合がよくある。例えば、5リミットのヴァル {{val| 17 27 40 }} は 5/4 を 353 セントではなく 424 セントにマップする。これは17平均律のパテントヴァルではないが、6/5 などほかの音程のマッピングが改善し全体のエラーが小さくなるため好まれる。非パテントヴァルは''wart''を末尾に付加することで特定される。wartはパテントヴァルからの偏りを示す。この場合では、5/1 を 2 番目に正確なステップ数にマッピングすることを指定したい。5 は 3 番目の素数なので、3 番目のアルファベットをオクターブ分割数の後ろに書いて、17c となる。 | ||
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=== Sparse Offset Val notation === | === Sparse Offset Val notation === | ||
2022年に[[Mike Battaglia]]が提案した '''SOV notation''' はどの素数が変更されるかと変更される方向を明示する記法である。2024年に{{en仮リンク|Ups and downs notation}}をヒントにさらなる改良が彼と[[Lumi Pakkanen]]によって行われた。 | |||
一般化パテントヴァルは分割数とそれに続く空の角括弧からなる。例: 17[] for {{val| 17 27 39 }} | |||
ある素数を1個多いステップ数にマップする場合は、その素数にキャレット (^) を前置して角括弧に入れる。例: 17[^5] for {{val| 17 27 40 }} | |||
ある素数を1個少ないステップ数にマップする場合は、その素数に小文字ブイ (v) を前置して角括弧に入れる。例: 17[v5] for {{val| 17 27 38 }} | |||
変更量に応じてプレフィクスを重ねる。例: 17[^^5] corresponds to {{val| 17 27 41 }} | |||
角括弧内は半角コンマ区切り。例: 17[v3, ^5] for {{val| 17 26 40 }} | |||
分割する等価音程を示す場合は分割数の前に角括弧に入れた等価音程を置く。例: [3]13[] for {{val| 8 13 19 }} (subgroup 2.3.5) | |||
純正律サブグループを示す場合は一番最後にアットマークに続けて書く。例: 46[]@2.3.7.13/5 for {{val| 46 73 129 63 }} (subgroup 2.3.7.13/5) | |||
素数でない基底の元(形式的素数 formal prime)も扱い方は同じ。例: 46[^13/5]@2.3.7.13/5 for {{val| 46 73 129 64 }} (subgroup 2.3.7.13/5) | |||
アットマークの前の空の角括弧は省略可能。サブグループも文脈から明らかなら省略可能でアットマークはあってもよい。例: 12@ for {{val|12 19 28 }} (subgroup 2.3.5) | |||
2022年バージョンは (^) と (v) の代わりにそれぞれ (+) と (-) を用いていた。 | |||
== 純正律サブグループにおけるヴァル == | == 純正律サブグループにおけるヴァル == | ||
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== レギュラーテンペラメントにおけるヴァル == | == レギュラーテンペラメントにおけるヴァル == | ||
{{Main| Tmonzos and tvals }} | <!--{{Main| Tmonzos and tvals }} | ||
tvalの説明はここと[[tuning map]]あたりに分散させます--> | |||
[[マップされた音程|テンパードモンゾ]]に対するテンパードヴァルを書くこともできる。テンパードモンゾは何らかのレギュラーテンペラメント上の音程を表す(テンペラメントの音程は純正音程で指し示すこともできるが、テンペラメントに合った音程表記を考えれば、音程の関係を簡潔に表せるし、コンマポンプをコンマが汲み出されないように簡潔に書くことができる)。それに対して、テンパードヴァルはレギュラーテンペラメントの各ジェネレーターを平均律の何ステップにマップするかを表す「さらなるマッピング行列」である。これらは''tmonzo''と''tval''とも呼ばれる。典型的には、これは先頭にジェネレーターを書くことで明確化される。ミーントーンのようにテンペラメント上の音程に名前がついていれば、それらを使ってtvalを P8.P5 {{val| 12 7 }} (ミーントーン音律を12平均律にマップするpatent tval)のように書ける。音程に名前がないなら代わりにマップ元の純正音程のいずれかを使う。文脈で明らかでなければテンペラメント名も併記する。(meantone) ~2.~3/2 {{val| 12 7 }}、や (meantone) ~2.~3/2 {{val| 31 18 }} のように。 | |||
== ヴァルとマッピング == | == ヴァルとマッピング == | ||
ヴァルは[[マッピング]](mapping)より具体的な概念である。数学的な意味でもRTT的な意味でも。 | |||
# ヴァルは 1 行だけのマッピングである。マッピングの各行はヴァルであるともいえる。数学的に正確に言うと、ヴァルは | # ヴァルは 1 行だけのマッピングである。マッピングの各行はヴァルであるともいえる。数学的に正確に言うと、ヴァルは{{w|線型写像}}の一種で{{w|線型汎函数}}であり、出力がスカラーになるものである。モンゾと内積をとることでステップ数が得られる余ベクトルである。 | ||
# 複数行のマッピング行列と区別して 1 行だけの行列を'''マップ'''(map)と呼ぶこともあり、これにはヴァルも含まれる。なおヴァルの各項は整数に限る。{{en仮リンク|tuning map}}は出力が[[セント]]値などの実数になるが、広い意味でヴァルとみなされることがある。(実はvalやtvalの出力であるステップ数もチューニングが未決定なのかもしれない。文脈をよく読むこと。) | |||
# ヴァルは "valuation" ( | # ヴァルは "valuation" ({{w|付値}})の略であり、{{w|p進付値|''p''-進付値}}({{w|重複度 (数学)#素因数の重複度|素因数の重複度}}(分母の場合は負))の線型結合である。(その説明はどちらかというとモンゾでは?という[[:en:Map|意見]]がついている) | ||
実用上は、RTTにおいて大体の 1 | 実用上は、RTTにおいて大体の 1 行だけのマッピングはヴァルかtuning mapである。 | ||
== 関連項目 == | == 関連項目 == | ||
* [[ | * [[マッピング]] | ||
* [[Map]] | * [[Map]] | ||
* [[モンゾ]] | * [[モンゾ]] | ||
* [[モンゾと音程空間]] | * [[モンゾと音程空間]] | ||
* [[ | * [[パテントヴァル]] | ||
* [[Smonzos and svals]] | * [[Smonzos and svals]] | ||
* Definition on Tonalsoft's encyclopedia of microtonal music theory: http://tonalsoft.com/enc/v/val.aspx | * Definition on Tonalsoft's encyclopedia of microtonal music theory: http://tonalsoft.com/enc/v/val.aspx | ||