「22平均律」の版間の差分
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==理論== | ==理論== | ||
===歴史=== | ===歴史=== | ||
オクターブを同じサイズの22のステップに分割するという考えは、19世紀の音楽理論家R.H.M. Bosanquetに由来しているようである。{{en仮リンク|インドの音楽理論|Indian music}} | オクターブを同じサイズの22のステップに分割するという考えは、19世紀の音楽理論家R.H.M. Bosanquetに由来しているようである。{{en仮リンク|インドの音楽理論|Indian music}}におけるオクターブの22の不均等な分割に触発され、Bosanquetは22個への均等な分割により5リミットの音楽を許容できる精度で表現できることに注目した(なおインドの22律は22平均律とは異なることに注意)。この点については、20世紀に理論家のJosé Würschmidtが続き、彼はこれを[[19平均律]]の次の可能性として指摘した。また、J. Murray Barbourは、調律の歴史に関する古典的な調査書『Tuning and Temperament』の中で、これに続いた。 | ||
=== 純正音程近似のクオリティの概観 === | === 純正音程近似のクオリティの概観 === | ||
22平均律のシステムは、実際には[[12平均律|12]]と19に次ぐ{{en仮リンク| | 22平均律のシステムは、実際には[[12平均律|12]]と19に次ぐ{{en仮リンク|5リミット|5-limit}}音程を{{en仮リンク|TE誤差|TE error}} 4 ¢/oct 以内に近似することができる3番目の平均律である。ゼータ積分やゼータギャップ平均律ではないが、少なくとも{{en仮リンク|ゼータピーク平均律|The Riemann zeta function and tuning#Peak edos}}ではある。さらに12や19とは異なり、5リミットのみならず、{{en仮リンク|7リミット|7-limit}}、{{en仮リンク|11リミット|11-limit}}音程をも 3 ¢/oct 以内の誤差で近似できる。[[31平均律]]の方がはるかに優れてはいるものの、22平均律でもこれらの高リミットのハーモニーを利用できる。実際、22は{{en仮リンク|11奇数リミット|11-odd-limit}}を[[一貫性|一貫]]して表す最小の等分割である。 | ||
22平均律は12や19とは異なり、{{en仮リンク|ミーントーン|meantone}} | 22平均律は12や19とは異なり、{{en仮リンク|ミーントーン|meantone}}システムではない。22という数字があまり馴染みのない音楽領域の探求を可能にしある程度強制することも効果の一つであるが、最終的な効果はやはり(22という数が小さいので)22音ギターなどの適切に設計された楽器をライブパフォーマンスで使用することが容易いことであろう。 | ||
22平均律は、[[11平均律]]の 2.7.9.11.15.17 [[純正律サブグループ|サブグループ]]に倍音3と5を追加したものとして扱うこともでき(かなり正確な)2.3.5.7.11.17 サブグループ音律になる。31倍音の近似値が 0.5 ¢ 以内であり、かなり正確であることも注目に値する。また、特に 29/24 などの29倍音を含むいくつかの間隔も近似しており、これも 0.5 ¢ 以内で一致する。これにより、2.3.5.7.11.17.29.31 がもたらされる。 | 22平均律は、[[11平均律]]の 2.7.9.11.15.17 [[純正律サブグループ|サブグループ]]に倍音3と5を追加したものとして扱うこともでき(かなり正確な)2.3.5.7.11.17 サブグループ音律になる。31倍音の近似値が 0.5 ¢ 以内であり、かなり正確であることも注目に値する。また、特に 29/24 などの29倍音を含むいくつかの間隔も近似しており、これも 0.5 ¢ 以内で一致する。これにより、2.3.5.7.11.17.29.31 がもたらされる。 | ||
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=== 部分集合と上位集合 === | === 部分集合と上位集合 === | ||
22は11で割り切れるため、12平均律が6平均律(全音音階)を演奏できるのと同じように、22平均律楽器は11平均律のあらゆる音楽を演奏できる。11平均律は、旋律的には12平均律(よく知られた 1:2:3 の比率で全音、半音、短3度)に聞こえる点で興味深いが、特に完全5度/ | 22は11で割り切れるため、12平均律が6平均律(全音音階)を演奏できるのと同じように、22平均律楽器は11平均律のあらゆる音楽を演奏できる。11平均律は、旋律的には12平均律(よく知られた 1:2:3 の比率で全音、半音、短3度)に聞こえる点で興味深いが、特に完全5度/4度や5リミット長3度/短6度がないため、和声的には大きく異なる。同様に、22平均律と[[24平均律]]は、どちらも4分音や短/中/長2度を含むため、旋律的に似ている。しかし、22平均律は24よりもはるかに優れた全体的なハーモニーを提供する。 | ||
{{en仮リンク|サジタルノーテーション|Sagittal notation}}では、11は22の1つおきの音として記譜できる。 | {{en仮リンク|サジタルノーテーション|Sagittal notation}}では、11は22の1つおきの音として記譜できる。 | ||
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[[File:22edo.png|alt=22edo.png|22edo.png]] | [[File:22edo.png|alt=22edo.png|22edo.png]] | ||
この表記は、5リミット純正音程のサジタルノーテーションと一致している。つまり、「長」3度と6度は、シントニックコンマ1つ分下げられた(スーパー)ピタゴラス音程として現れる。 | |||
アポトメーを3つのシントニックコンマに分割するということは、22が{{en仮リンク|ポーキュパインコンマ|porcupine comma}}(これは『シントニックコンマ × 3 − アポトメー』と等しい)をテンパーアウトすることを示している。 | アポトメーを3つのシントニックコンマに分割するということは、22が{{en仮リンク|ポーキュパインコンマ|porcupine comma}}(これは『シントニックコンマ × 3 − アポトメー』と等しい)をテンパーアウトすることを示している。 | ||
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==純正音程近似== | ==純正音程近似== | ||
=== | === 純正音程のマッピング === | ||
{{Q-odd-limit intervals|22}} | {{Q-odd-limit intervals|22}} | ||
[[File:22ed2.svg|250px|thumb|right|alt=alt : Your browser has no SVG support.| | [[File:22ed2.svg|250px|thumb|right|alt=alt : Your browser has no SVG support.|22平均律で近似されるいくつかの17リミット音程]] | ||
==決定づける特徴== | ==決定づける特徴== | ||
=== アルキュタス vs シントニックコンマ === | === アルキュタス vs シントニックコンマ === | ||
おそらく、22平均律に慣れていない人にとって最も印象的な特徴は、81/80 のシントニックコンマをテンパーアウト'''しない'''ため、ミーントーン音律のシステムではないことである。つまり、22平均律は、9/8 と 10/9 | おそらく、22平均律に慣れていない人にとって最も印象的な特徴は、81/80 のシントニックコンマをテンパーアウト'''しない'''ため、ミーントーン音律のシステムではないことである。つまり、22平均律は、9/8 と 10/9 の2つの全音などの、12平均律・19平均律・31平均律が区別しないピタゴラス(3リミット)音程と5リミット音程を区別する。実際のところこれらの区別は、5リミット純正律(JI)や、{{en仮リンク|34平均律|34edo}}・{{en仮リンク|41平均律|41edo}}・{{en仮リンク|53平均律|53edo}}などのより正確な音律と比較すると誇張されている。 | ||
22平均律が作り出すダイアトニックスケールは{{en仮リンク|スーパーパイス|superpyth}} | 22平均律が作り出すダイアトニックスケールは{{en仮リンク|スーパーパイス|superpyth}}音律から派生したもので、ミーントーンのダイアトニックスケール(L L s L L L s, または [[5L 2s]])と同じスケール構造を持ちながらも、3度は 5/4 や 6/5 ではなく、9/7 や 7/6 に近い。つまり、シントニックコンマ(81/80)ではなく、アルキュタスコンマ(64/63)が消えるということであり、これは22平均律の核となる特徴の一つである。スーパーパイスは、疑似的に等間隔の5音階(大全音と下短(縮)3度の大きさがかなり近いため)と、12平均律やその他のミーントーンシステムと比べ、より不均等な7音階を持つ点で旋律的に興味深い。ステップパターンはそれぞれ 4 4 5 4 5 と 4 4 1 4 4 4 1 である。 | ||
=== ポーキュパインコンマ === | === ポーキュパインコンマ === | ||
また、{{en仮リンク|250/243|250/243}} のポーキュパインコンマ(或いはmaximal diesis)をテンパーアウトするため、22平均律は{{en仮リンク|ポーキュパイン音律|porcupine}}を{{en仮リンク|サポート|support}}する。ポーキュパインのジェネレーターは低い 10/9 の小全音で、2つでわずかに高い 6/5、3つでわずかに低い 4/3 | また、{{en仮リンク|250/243|250/243}} のポーキュパインコンマ(或いはmaximal diesis)をテンパーアウトするため、22平均律は{{en仮リンク|ポーキュパイン音律|porcupine}}を{{en仮リンク|サポート|support}}する。ポーキュパインのジェネレーターは低い 10/9 の小全音で、2つでわずかに高い 6/5、3つでわずかに低い 4/3 になる。これは、ポーキュパインの特徴である等間隔なテトラコルドの存在を示唆している。ポーキュパインは、良く知られた12平均律によっては近似されない5リミット音律のうち、{{en仮リンク|悪さ|badness}}(badness)が最も少ないものであることで有名である。そのため、22平均律の倍音特性を調べるための優れた出発点の一つとなる。ポーキュパインは7音と8音の二つの{{en仮リンク|MOSスケール|MOS scale}}を形成し、22平均律ではそれぞれ 4 3 3 3 3 3 と 3 1 3 3 3 3 3 3(およびそれぞれのモード)に調律される。 | ||
=== | === その他の5リミットコンマ === | ||
22平均律がテンパーアウトするその他の5リミットコンマには、ディアスキスマ(diaschisma, {{en仮リンク|2048/2025|2048/2025}})とマジックコンマ(或いはsmall diesis, {{en仮リンク|3125/3072|3125/3072}})がある。12平均律や22平均律などのディアスキスマシステムでは、全音階の3度上の {{en仮リンク|9/8|9/8}} を表す大全音の長3度上である {{en仮リンク|45/32|45/32}} のダイアトニック三全音は、そのオクターヴ反転である {{en仮リンク|64/45|64/45}} と等しくなる。また、マジックコンマがテンパーアウトされるということは、22平均律が5つの長3度で完全5度を構成するマジックシステムであることを意味する。 | |||
=== | === その他の7リミットコンマ === | ||
7リミットでは、22平均律は12平均律によってもテンパーアウトされる特定のコンマをテンパーアウトする。これは、ミーントーンシステムが類似するのとは異なる方法で12平均律を22平均律に関連付ける。jubilisma({{en仮リンク|50/49|50/49}})とアルキュタスコンマ (64/63) は、両方のシステムでテンパーアウトされる。したがってどちらの平均律においても、50/49 により 7/5 と 10/7 の2つの7倍音系三全音が同一視され、さらに 64/63 により属七和音とotonalテトラッドが区別されない。したがって、どちらも (50/49)/(64/63) = {{en仮リンク|225/224|225/224}} のマーベルコンマ(或いはセプティマルクレイズマ)をテンパーアウトするため、マーベル増三和音は22平均律のコードであり、どのミーントーン調律のコードでもある。12平均律によってテンパーアウトされないが、22平均律によってテンパーアウトされる7倍音系コンマは 1728/1715、つまり{{en仮リンク|オーウェルコンマ|orwell comma}}である。また、{{en仮リンク|オーウェル四和音|orwell tetrad}}も22平均律のコードである。 | |||
=== | === 11リミットコンマ === | ||
11リミットでは、22平均律は[[:en:quartisma]]をテンパーアウトし、5つの 33/32 四分音が1つの 7/6 下短(縮)3度に等しくなる。これは24平均律と共有されている特性だが、驚くべきことに、{{en仮リンク|17平均律|}}・{{en仮リンク|26平均律|26edo}}・{{en仮リンク|34平均律|34edo}}などの他の比較的小さな平均律のいくつかと共有されてはいない。実際、有名な53平均律でさえこの特性を持っていない。ただし、関連する{{en仮リンク|159平均律|159edo}}にはあることに注意。 | |||
=== その他の特徴 === | === その他の特徴 === | ||
約 164 ¢ | 約 164 ¢ の「低い小全音」は、22平均律の重要な音程である。これは、11リミットで 10/9, 11/10, 12/11 という3つもの異なる協和音程比として機能するためである。したがって、非常に曖昧でかつ柔軟性がある。その代償として、12平均律ピアノの中間に非常に近いため、ほとんどの12平均律のリスナーにとっては慣れるのに時間がかかる。5リミットの音楽を22平均律に単純に変換すると、非常に異なるサウンドになり、より複雑な倍音のクオリティが必然的に生じる。22平均律には中立3度は含まれないが、5リミットの3度は両方とも「中立のような」クオリティを持つ。これは、12平均律のように離れているのではなく、より近い距離で調律されているためである。 | ||
22平均律は、7倍音系下短3度をジェネレーター(5ステップ)として使用し、ステップパターン 3 2 3 2 3 2 3 2 2 および 1 2 2 1 2 2 1 2 2 1 2 2 2 でMOSスケールを形成する{{en仮リンク|オーウェル音律|orwell}}もサポートしている。 ハーモニー的には、オーウェルは31平均律・53平均律・{{en仮リンク|84平均律|84edo}}など、他の音律でより正確にチューニングできる。しかし、22平均律オーウェルはメロディ的に他よりも優位に立っており、オーウェル[9]の大小のステップは22では区別しやすい。 | 22平均律は、7倍音系下短3度をジェネレーター(5ステップ)として使用し、ステップパターン 3 2 3 2 3 2 3 2 2 および 1 2 2 1 2 2 1 2 2 1 2 2 2 でMOSスケールを形成する{{en仮リンク|オーウェル音律|orwell}}もサポートしている。 ハーモニー的には、オーウェルは31平均律・53平均律・{{en仮リンク|84平均律|84edo}}など、他の音律でより正確にチューニングできる。しかし、22平均律オーウェルはメロディ的に他よりも優位に立っており、オーウェル[9]の大小のステップは22では区別しやすい。 | ||
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22平均律は、11リミットにおけるこれまでのどの平均律よりも相対誤差が低くなる。このサブグループで優れている次の平均律は[[31平均律]]である。22平均律は 2.3.5.7.11.17 サブグループでさらに卓越しており、このサブグループで優れている次の平均律は{{en仮リンク|46平均律|46edo}}である。 | |||
=== 一様写像 === | === 一様写像 === | ||
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=== コンマ === | === コンマ === | ||
[[ヴァル]]を {{val| 22 35 51 62 76 81 }} としたとき、22平均律は以下のコンマを{{en仮リンク|テンパーアウト|temper out}}する。 | |||
{| class="commatable wikitable center-all left-3 right-4 left-6" | {| class="commatable wikitable center-all left-3 right-4 left-6" | ||
| 1,077行目: | 1,077行目: | ||
<references/> | <references/> | ||
=== | === ランク2音律 === | ||
* {{en仮リンク| | * {{en仮リンク|悪さ順の22平均律のランク2音律の一覧|List of 22et rank two temperaments by badness}} | ||
* {{en仮リンク| | * {{en仮リンク|複雑さ順の22平均律のランク2音律の一覧|List of 22et rank two temperaments by complexity}} | ||
* {{en仮リンク| | * {{en仮リンク|22平均律独特なランク2音律の一覧|List of edo-distinct 22et rank two temperaments}} | ||
{| class="wikitable center-1 center-2" | {| class="wikitable center-1 center-2" | ||
| 1,132行目: | 1,132行目: | ||
| [[Undeka]]<br>[[Hendecatonic]] | | [[Undeka]]<br>[[Hendecatonic]] | ||
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== スケール== | == スケール== | ||