「2L 5s」の版間の差分
| (同じ利用者による、間の4版が非表示) | |||
| 10行目: | 10行目: | ||
アンチダイアトニックは[[5L 2s|ダイアトニック]]と似ているが、音程のクラスが反転している点が異なる。例えば、マイナースケールの代わりにナチュラルマイナースケール(自然短音階)、ハーモニックマイナースケール(和声的短音階)、メロディックマイナースケール(旋律的短音階)が存在し、そのロクリアン音階は「アンチロクリアン」と呼ばれ、減五度ではなく増五度を持つ。五度がより狭くなるほど、この音階はダイアトニックから遠ざかる。 | アンチダイアトニックは[[5L 2s|ダイアトニック]]と似ているが、音程のクラスが反転している点が異なる。例えば、マイナースケールの代わりにナチュラルマイナースケール(自然短音階)、ハーモニックマイナースケール(和声的短音階)、メロディックマイナースケール(旋律的短音階)が存在し、そのロクリアン音階は「アンチロクリアン」と呼ばれ、減五度ではなく増五度を持つ。五度がより狭くなるほど、この音階はダイアトニックから遠ざかる。 | ||
この音階の最もよく知られた形態は{{En仮リンク|Mavilla}}によって生成されるもので、その5度音程はダイアトニックに似るほど十分に広い。この音階を生成する他のテンペラメントには、{{En仮リンク|Score}}、{{En仮リンク| | この音階の最もよく知られた形態は{{En仮リンク|Mavilla}}によって生成されるもので、その5度音程はダイアトニックに似るほど十分に広い。この音階を生成する他のテンペラメントには、{{En仮リンク|Score}}、{{En仮リンク|Casablanca}}、{{En仮リンク|Triton}}などがあり、それらの5度音程は、狭く設定されているかどうかにかかわらず、ダイアトニックの五度として解釈できないほど狭い。 | ||
== 名前 == | == 名前 == | ||
{{En仮リンク|TAMNAMS}}は、この音階に対して、音律に囚われない名称として「'''Antidiatonic(アンチダイアトニック)'''」と提案している。これは、ダイアトニック([[5L 2s]])の音階で、大小の音程が入れ替わったものを指す一般的な用語から派生したものである。 | |||
また、この音階は接頭辞にちなんで「Peletonic(ペレトニック)」または「'''Peltonic(ペルトニック)'''」と呼ばれることも多い。 | また、この音階は接頭辞にちなんで「Peletonic(ペレトニック)」または「'''Peltonic(ペルトニック)'''」と呼ばれることも多い。 | ||
== 性質 == | == 性質 == | ||
{{TAMNAMS use}} | {{TAMNAMS use}} | ||
| 54行目: | 55行目: | ||
2L 5sは、五線譜、音名、相対記譜法などを含む従来の記譜法を用いて、2つの方法で表記することができる。 | 2L 5sは、五線譜、音名、相対記譜法などを含む従来の記譜法を用いて、2つの方法で表記することができる。 | ||
第一の'''旋律的音名'''(英: Melodic notation) | 第一の'''旋律的音名'''(英: Melodic notation)は、アンチダイアトニックスケールに基づいてシャープ・フラット、長・短、増・減を定義しており、予想通り、シャープはフラットよりも音程が高く、長・増は短・減よりも音程が広い。これはダイアトニックの慣習に従わないため、従来の音程計算は通用しなくなる。例えば、長二度+長二度は長三度にならず、D+長二度はEにならない。アンチダイアトニックはダイアトニックの姉妹MOSであるため、音程計算のルールにおいて長調と短調を入れ替えることでこの問題を解決できる。なお、和音を構成する音はダイアトニックとは異なる。例えば、メジャーコード(完全一度・長三度・完全五度)は予想通りおよそ4:5:6の比率になるものの、Cを主音とする場合、C–E♯–Gと表記される。 | ||
あるいは、アンチダイアトニックスケールを実質的に通常のダイアトニックスケールと見なすことも可能である。つまり、シャープはフラットよりも音程が低く(「S」の音程が「L」の音程より大きいため)、長・増は短・減よりも音程が狭いという扱いになる。これは「'''和声的音名'''(英: Harmonic notation)」として知られている。これを行う主な目的は、12平均律や他のダイアトニック体系で記譜された音楽をその場で直接変換できるようにすること、あるいは五度連鎖表記しか対応していないツールで2L 5sをサポートできるようにすることである。これにより、ダイアトニック表記における音程演算の仕組みを引き継ぐことが可能だが、その代償として、音程の大きさや和音の形状が誤って表記されてしまう。つまり、メジャーコード(完全一度・長三度・完全五度)は、Cを基音としてC–E–Gと表記されるものの、第三音が短三度に近いので、もはや4:5:6とはならない。 | あるいは、アンチダイアトニックスケールを実質的に通常のダイアトニックスケールと見なすことも可能である。つまり、シャープはフラットよりも音程が低く(「S」の音程が「L」の音程より大きいため)、長・増は短・減よりも音程が狭いという扱いになる。これは「'''和声的音名'''(英: Harmonic notation)」として知られている。これを行う主な目的は、12平均律や他のダイアトニック体系で記譜された音楽をその場で直接変換できるようにすること、あるいは五度連鎖表記しか対応していないツールで2L 5sをサポートできるようにすることである。これにより、ダイアトニック表記における音程演算の仕組みを引き継ぐことが可能だが、その代償として、音程の大きさや和音の形状が誤って表記されてしまう。つまり、メジャーコード(完全一度・長三度・完全五度)は、Cを基音としてC–E–Gと表記されるものの、第三音が短三度に近いので、もはや4:5:6とはならない。 | ||
| 64行目: | 65行目: | ||
== 調律範囲 == | == 調律範囲 == | ||
=== 簡易な調律 === | === 簡易な調律 === | ||
最も簡易な調律は、全音半音比が2:1、3:1、3: | 最も簡易な調律は、全音半音比が2:1、3:1、3:2のものがあり、それぞれ[[9平均律]]、[[11平均律]]、[[16平均律]]を生み出す。 | ||
{{MOS tunings}} | {{MOS tunings}} | ||
=== Soft-of-basic調律 === | === Soft-of-basic調律 === | ||
{{See also| Mavila }} | {{See also| Mavila }} | ||
Soft-of-basic調律(1:1~2: | Soft-of-basic調律(1:1~2:1)の範囲の多くは、Mavillaに対応している。[[9平均律]]、[[16平均律]]、[[23平均律]]が含まれる。 | ||
{{MOS tunings|Step Ratios=Soft-of-basic}} | {{MOS tunings|Step Ratios=Soft-of-basic}} | ||
=== Hypohard調律 === | === Hypohard調律 === | ||
Hard-of- | Hard-of-basic調律の範囲は、ScoreやCasablancaのように、アンチダイアトニックの五度が著しく低い。[[20平均律]]と[[31平均律]]は、これらのテンペラメントを非常に良く示している。 | ||
{{MOS tunings|Step Ratios=Hypohard}} | {{MOS tunings|Step Ratios=Hypohard}} | ||
=== Ultrahard調律 === | === Ultrahard調律 === | ||
Ultrahard調律、特にその範囲の中でもより広い側にあるものは、{{En仮リンク|Liese}} | Ultrahard調律、特にその範囲の中でもより広い側にあるものは、{{En仮リンク|Liese}}テンペラメントに対応しており、[[17平均律]]や19平均律といった平均律、さらには[[55平均律]]といったより大きな平均律によって表される。 | ||
{{MOS tunings|Step Ratios=4/1; 5/1; 6/1; 7/1}} | {{MOS tunings|Step Ratios=4/1; 5/1; 6/1; 7/1}} | ||