「オクターブ平均律」の版間の差分
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'''オクターブ平均律'''(equal temperament, '''ET''')あるいは'''オクターブの均等な分割'''<ref>[https://steinberg.help/dorico_pro/v3/jp/dorico/topics/notation_reference/notation_reference_key_signatures/notation_reference_key_signatures_tonality_systems_edo_c.html]</ref>(equal divisions of octave, '''EDO''')はオクターブを等分割する[[音律]]である。前者は[[平均律|テンペラメント]]を、後者は等間隔のピッチ集合を指す言葉ではあるが、日本語では''n''-平均律、英語では''n''-edoの表記が両方の意味を兼ねる呼び方となっている。''n'' が分割数である。 | '''オクターブ平均律'''(equal temperament, '''ET''')あるいは'''オクターブの均等な分割'''<ref>[https://steinberg.help/dorico_pro/v3/jp/dorico/topics/notation_reference/notation_reference_key_signatures/notation_reference_key_signatures_tonality_systems_edo_c.html]</ref>(equal divisions of octave, '''EDO''')はオクターブを等分割する[[音律]]である。前者は[[平均律|テンペラメント]]を、後者は等間隔のピッチ集合を指す言葉ではあるが、日本語では''n''-平均律、英語では''n''-edoの表記が両方の意味を兼ねる呼び方となっている。''n'' が分割数である。 | ||
== | == 歴史 == | ||
調律理論家が最初に"equal temperament"の用語を使ったのは、{{en仮リンク|Low-complexity JI}}を近似するために設計されたedoを指すことにである。同じ用語が現在でもランク1[[レギュラーテンペラメント]]を指す言葉として使われている。例えば、15edoは15-tone equal temperament (15-TET, 15-tET, 15tet, etc.)、あるいはもっと簡単に15 equal temperament (15-ET, 15et, etc.)とも呼ばれる。 | 調律理論家が最初に"equal temperament"の用語を使ったのは、{{en仮リンク|Low-complexity JI}}を近似するために設計されたedoを指すことにである。同じ用語が現在でもランク1[[レギュラーテンペラメント]]を指す言葉として使われている。例えば、15edoは15-tone equal temperament (15-TET, 15-tET, 15tet, etc.)、あるいはもっと簡単に15 equal temperament (15-ET, 15et, etc.)とも呼ばれる。 | ||
"EDO"(''EE-dee-oh'')という頭字語は1999年に[[Daniel Anthony Stearns]]によって作られた。元々は"equidistant divisions of the octave"<ref>[https://yahootuninggroupsultimatebackup.github.io/tuning/topicId_65#65 Yahoo! Tuning Group | ''Where F + f = O'']</ref><ref>[https://yahootuninggroupsultimatebackup.github.io/tuning/topicId_117#117 Yahoo! Tuning Group | ''f + F and WFS/MOS'']</ref>の略語としてであった。近年では小文字化され"edo"(''EE-doh'' | "EDO"(''EE-dee-oh'')という頭字語は1999年に[[Daniel Anthony Stearns]]によって作られた。元々は"equidistant divisions of the octave"<ref>[https://yahootuninggroupsultimatebackup.github.io/tuning/topicId_65#65 Yahoo! Tuning Group | ''Where F + f = O'']</ref><ref>[https://yahootuninggroupsultimatebackup.github.io/tuning/topicId_117#117 Yahoo! Tuning Group | ''f + F and WFS/MOS'']</ref>の略語としてであった。近年では小文字化され"edo"(''EE-doh'')と読まれることも一般的となった。 | ||
[[Edonoi|equal divisions of non-octave intervals (edonoi)]]の発展に伴い、純正な 2/1 | [[Edonoi|equal divisions of non-octave intervals (edonoi)]]の発展に伴い、純正な 2/1 を等分割していることを明確にする目的で"ed2"と書くことが試されるようになった。 | ||
== ステップサイズの計算 == | |||
''n''-edoの1ステップのサイズを[[セント]]値で知りたければ、1200 を ''n'' で割る。''k'' ステップのサイズ ''s'' は | |||
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となる。''n''-edoのステップサイズを[[周波数比]]で知りたければ、2 の ''n'' 乗根を求める。12edoの 1 ステップは 2<sup>1/12</sup> (≈ 1.059)となる。そのため ''k'' ステップの周波数比 ''c'' は | |||
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となる。特に、''k'' が 0 の場合、''c'' は 1 である。また ''k'' = ''n''の場合、''c'' は 2 である。 | |||
== 性質 == | |||
EDOの音階はその一様なステップサイズのおかげで素直に働く。何人かの音楽家はこの一貫性をつまらないものと感じ、他の人々は作曲のためにこれが提供する基盤の価値を認めている。全ての平均律が共有している性質は、ステップサイズが一定であること、だけである。他の性質は全く様々である。小分割数のEDO、特に 5 から 24 は強烈で独特な特徴を持ち、作曲者にインスピレーションをもたらしている。 | |||
== 実用上の利点 == | |||
=== フレットのある楽器 === | |||
もしあなたが[[guitar|ギタリスト]] (or a player of some other fretted string instrument, like a bass guitar, Appalachian dulcimer, [[ukulele]], banjo, mandolin, sitar, saz, pipa, or zhong ruan) なら、EDOは一番シンプルなフレットボードのデザインを提供するだろう。全てのフレットがまっすぐにフレットボードを横断し、開放弦をどのステップに調律してもよい。しかしステップ幅が小さいEDOの場合はフレットが多すぎて混雑することが問題になりうる。その場合は、音程を減らした{{en仮リンク|ed4}}や、弦ごとに弾ける音高を制限して役割分担する{{en仮リンク|skip fretting}}などの妥協案がある。 | |||
=== 自由な転調 === | |||
EDOはどのキーにも転調でき、調性が変化するようなことがない。移調も全く障害がない。これは学習にも有利であり、(純正律や中全音律やウェル・テンペラメントにあったような)調ごとの調性などを記憶する必要がない。12平均律の平等性に慣れている人は、それ以外のEDOに備わっているこの平等性に安心して親しむことができるだろう。 | |||
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2025年8月24日 (日) 12:30時点における最新版
オクターブ平均律(equal temperament, ET)あるいはオクターブの均等な分割[1](equal divisions of octave, EDO)はオクターブを等分割する音律である。前者はテンペラメントを、後者は等間隔のピッチ集合を指す言葉ではあるが、日本語ではn-平均律、英語ではn-edoの表記が両方の意味を兼ねる呼び方となっている。n が分割数である。
歴史
調律理論家が最初に"equal temperament"の用語を使ったのは、Low-complexity JI (en) を近似するために設計されたedoを指すことにである。同じ用語が現在でもランク1レギュラーテンペラメントを指す言葉として使われている。例えば、15edoは15-tone equal temperament (15-TET, 15-tET, 15tet, etc.)、あるいはもっと簡単に15 equal temperament (15-ET, 15et, etc.)とも呼ばれる。
"EDO"(EE-dee-oh)という頭字語は1999年にDaniel Anthony Stearnsによって作られた。元々は"equidistant divisions of the octave"[2][3]の略語としてであった。近年では小文字化され"edo"(EE-doh)と読まれることも一般的となった。
equal divisions of non-octave intervals (edonoi)の発展に伴い、純正な 2/1 を等分割していることを明確にする目的で"ed2"と書くことが試されるようになった。
ステップサイズの計算
n-edoの1ステップのサイズをセント値で知りたければ、1200 を n で割る。k ステップのサイズ s は
[math]\displaystyle{ \displaystyle s = 1200 \cdot k/n }[/math]
となる。n-edoのステップサイズを周波数比で知りたければ、2 の n 乗根を求める。12edoの 1 ステップは 21/12 (≈ 1.059)となる。そのため k ステップの周波数比 c は
[math]\displaystyle{ \displaystyle c = 2^{k/n} }[/math]
となる。特に、k が 0 の場合、c は 1 である。また k = nの場合、c は 2 である。
性質
EDOの音階はその一様なステップサイズのおかげで素直に働く。何人かの音楽家はこの一貫性をつまらないものと感じ、他の人々は作曲のためにこれが提供する基盤の価値を認めている。全ての平均律が共有している性質は、ステップサイズが一定であること、だけである。他の性質は全く様々である。小分割数のEDO、特に 5 から 24 は強烈で独特な特徴を持ち、作曲者にインスピレーションをもたらしている。
実用上の利点
フレットのある楽器
もしあなたがギタリスト (or a player of some other fretted string instrument, like a bass guitar, Appalachian dulcimer, ukulele, banjo, mandolin, sitar, saz, pipa, or zhong ruan) なら、EDOは一番シンプルなフレットボードのデザインを提供するだろう。全てのフレットがまっすぐにフレットボードを横断し、開放弦をどのステップに調律してもよい。しかしステップ幅が小さいEDOの場合はフレットが多すぎて混雑することが問題になりうる。その場合は、音程を減らしたed4 (en) や、弦ごとに弾ける音高を制限して役割分担するskip fretting (en) などの妥協案がある。
自由な転調
EDOはどのキーにも転調でき、調性が変化するようなことがない。移調も全く障害がない。これは学習にも有利であり、(純正律や中全音律やウェル・テンペラメントにあったような)調ごとの調性などを記憶する必要がない。12平均律の平等性に慣れている人は、それ以外のEDOに備わっているこの平等性に安心して親しむことができるだろう。
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